New「クラウン」のグローバル化は日本市場の納期にも影響する?

■クラウンが50年ぶりに米国市場に返り咲く

トヨタ自動車が2022年7月15日ににワールドプレミアした16代目となる新型クラウン

新型クラウン「クロスオーバー」のエクステリア(北米仕様)

今回のモデルはグローバルモデルとして開発されており、米国でも同時発表されました。

同社は1958年に初代「トヨペットクラウン」を米国向け日本車として初めて販売。その後も中断を経ながら1972年まで販売を継続しました。

今回のクラウン米国導入はそれ以来となり、今後世界で約40の国・地域に順次導入していくそうです。

新型クラウン「クロスオーバー」のリヤビュー(北米仕様)

7代目マークⅡ(X90型)並にリヤ廻りの意匠が個性的な新型クラウンですが、国内市場では斬新なバイトーン(2トーン)仕様が全面フィーチャーされており、黒塗りのボディ後部ディテールが確認し辛い面も。

その点、米国では多くの顧客が選択するであろう、明色モノトーン車両の屋外走行シーンが動画で紹介されており、ボディ後部を取り囲む特徴的なレリーフ(段差)などを含めた日中の見栄えを動的に確認できます。

●国内仕様とはココが違う

新型クラウン「クロスオーバー」のフロントビュー(国内仕様)

米国仕様では、フロントバンパー上面の王冠マークがトヨタ統一マークに変更されており、前後バンパーに設けられたサイドマーカーランプやダークカラーの21インチホイールなどが目を惹きます。

デュアルブーストハイブリッドシステム採用の2.4Lターボ用パワートレーン

パワートレーンでは、アクセル操作にリニアに反応し、ダイレクト且つトルクフルで気持ちのよいドライビングフィールをもたらすトヨタ初採用の“デュアルブーストハイブリッドシステム”が、米国では“HYBRID MAX(ハイブリッド マックス)”として紹介されており、ボディ後部に「HYBRID MAX」のエンブレムが装着されています。

同システムは、低回転から力強いトルクを生み出す2.4L直4ターボエンジンと、高い駆動力を発揮する最新の電動パワートレーン「eAxle」、新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせたもの。

●クラウンの海外輸出で納車遅延に拍車?

4車型が公開された新型クラウンシリーズ

日本ではクラウンシリーズとして、リフトアップ・クーペの「クロスオーバー」以外にもSUVの「スポーツ」や「セダン」、ワゴンの「エステート」など計4モデルが公開されましたが、米国では「クロスオーバー」のみの公開に留められています。

新型クラウン「クロスオーバー」のリヤビュー(国内仕様)

国内市場においても、クラウンシリーズ第1弾として今秋以降に発売を予定しているのは「クロスオーバー」で、愛知県豊田市の元町工場と堤工場で生産を予定しており、車両価格は435万円から(目標販売台数 3,200台/月)と、4WDのHVモデルにしては比較的リーズナブルな設定になっています。

すでにモデリスタなども魅力的な新型クラウン用パーツ群を公開済み。

一方、トヨタ自動車では半導体などのパーツ不足の影響で人気車種の生産遅延が常態化しており、新型クラウンについても今回の海外輸出の追加で、国内向けの生産がさらに滞る事態が予想され、早期納車を希望する顧客がまもなく始まる先行予約に殺到する可能性がありそうです。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

新型クラウン公式サイト
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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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