■すでに日本にも1万人の愛好家がいるフットゴルフ
ヤマハ発動機の広報グループが発信している「ニュースレター」。今回のテーマは、フットゴルフです。
フットゴルフとは、ゴルフ場を舞台に、サッカーボールを蹴り、ゴルフコースで9ホール、もしくは18ホールをラウンドするというスポーツ。1ホールあたりの距離は約40~200ヤードで、グリーンは使わずにプレーし、カップの大きさは直径53cmです。
2009年にオランダでルールが整備され、国際フットゴルフ連盟が発足した2012年には、ハンガリーで第1回ワールドカップが開催されました。同連盟では、2028年のロス五輪での正式種目化を視野に入れるなど、さらなる普及に力を注いでいるそうです。
四輪バギーのエンジン組立工場に勤務する、フットゴルフ日本代表の水谷唯人さんは、このスポーツと出会ってわずか2年で日本代表に選出されたそうです。この新しいスポーツに出会って以来すぐに夢中になり、短期間で東海リーグ、関西リーグ、ジャパンツアーとステージを上げ、2022年5月には日本代表メンバーに最年少で初選出されています。
ナショナルチームの一員として、フロリダ州で開催された日米対抗戦「パシフィックトロフィー2022」に出場。男子シングルスのマッチプレーを戦って、惜しくも僅差で敗れたものの、チームは前回ワールドカップ(2018年 モロッコ大会)で3位の強豪アメリカに勝利を飾っています。
水谷さんは、「初めての国際大会ということもあって、自分のリズムで試合を運べなかったのが悔しい。8月から始まるジャパンツアーで上位の成績を残して再び日本代表に選ばれ、来年、同じ会場で開かれる第4回ワールドカップで雪辱を果たしたい」と決意を語っています。
日本国内の競技人口は、およそ1万人(日本フットゴルフ協会調べ)に達しているそうで、トップクラスの選手の中には、元Jリーガーも複数いるそう。水谷さん自身も高校生までサッカーに熱中していたものの、華々しい成績は皆無で、選抜チームなどにも縁のない選手だったそう。
一方で、右足のキックには以前から自信を持っていたことに加え、「負けん気の強い自分の性格的にも(フットゴルフは)向いている気がした」と、フットゴルフに出会った際に感じた楽しさと共に、手応えも感じていたようです。
とはいえ、働きながら、年間約20戦が開催されるジャパンツアーを転戦するのは、やはりラクにはいかないそう。水谷さんは、平日は近所の公園、週末はクルマで1時間ほどのゴルフコースで練習を重ね、北海道から中部エリアで開かれるツアー大会に出場を続けているそうです。
「体力的にも、遠征費やトレーニングにかかる費用の面でも大変ですが、来年のワールドカップ優勝という目標、ワールドツアー転戦という夢を諦めたくはない」と、同じ職場の仲間からの応援もあり、前向きのようです。
(塚田 勝弘)