■従来品よりも推定摩耗ライフを38%向上させ、雪上性能も確保
トーヨータイヤは、コミュニティバス専用のスタッドレスタイヤ「M937」を2022年9月1日に発売します。
新商品の「M937」は、通年での使用を考慮して開発されたのが最大の特徴です。発売サイズは、205/80R17.5 120/118Nの1サイズで、価格はオープン。
コミュニティバスは、電車や路線バスなどの公共交通機関が廃止されたり、あるいは整備されていなかった地域での新たな移動手段として運用されています。
大型路線バスの通行が困難な区間などは、交通ネットワークの補完といった役割を担い、地方自治体や大手バス事業者が導入している例もあり、国土交通省の調査では、導入事例数が2009年から10年間で約1.5倍増加しているそうです。
狭い場所でも走行できるコミュニティバスは、一般の路線バスよりも低速での発進、信号のない交差点での停止、右左折も頻繁に行われます。そのぶん、タイヤにかかる負荷が大きくなり、偏摩耗の発生や摩耗促進による早期交換の課題を抱えているバス事業者も多く存在します。
また、年に数回しか雪が降らない(積もらない)ような非降雪地域であっても、突然の積雪時における安全性を確保するため、スタッドレスタイヤを装着するバス事業者も増加。サマータイヤから履き替える場合は、2種類のタイヤを準備するコストはもちろん、交換作業、保管などのメンテナンスも課題になります。
一方で、スタッドレスタイヤを使い続ける場合は、摩耗が進み、年間を通して使用できないケースも散見されるそうです。
今回、発売される「M937」は、先述したように、通年での使用を前提に開発されたコミュニティバス専用スタッドレスタイヤです。技術面では、タイヤが路面に接地するトレッド面全体の幅をワイドにして、大型のブロックを配置することで、タイヤにかかる負荷を分散させてゴムの過度な動きを抑制。
これにより、性能面では、耐摩耗性能が向上し、推定摩耗ライフ(実車評価)が同社の従来品である「M935」比で38%向上。
さらに、縦方向に刻まれた溝の幅も広げることで、雪が目詰まりすることを防ぐとともに、サイプと呼ばれる細かい溝がトレッド面のブロックに高密度で配置されていて、積雪や凍結路面の走行性能が確保されています。
(塚田 勝弘)
【関連リンク】
TOYO TIRES コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」
https://www.toyotires.jp/product/ltb/m937/