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■コピーは「挑戦と革新を続けるコネクティッドカー」
2018(平成30)年6月26日、15代目のトヨタ・クラウンが登場しました。先代に続いてユーザーの若返りを図り、クーペ風のスタイリングに変貌。また、トヨタが進めるコネクティッドカーの第1弾として、フラグシップのクラウンが選ばれました。
●日本初の完全オリジナル国産車として登場した初代クラウン
1955年、日本初の本格乗用車として初代クラウンとなる「トヨペットクラウン」がデビューしました。当時のクルマは、GMやフォードの部品と技術を使って組み立てるだけの名ばかりの国産車でしたが、トヨタが目指したのは、完全オリジナルの国産車の製造でした。
トヨペットクラウンは、高出力の1.5L直4OHCエンジンを搭載。高速時代に対応して最高速度は100km/hを超えました。全輪独立懸架(ダブルウィッシュボーン)やハイポイドギアのデフなど、当時の最新技術を採用することで、優れた走りと乗り心地を実現。クルマの出来栄えは、当時の外国部品で組み立てたクルマより優れ、高い人気を獲得しました。このトヨペットクラウンの登場を機に、日本のモータリゼーションに火が付き、その後各メーカーから続々とオリジナル国産車がデビューすることになります。
●リアドアの後ろにも窓がある6ライトウィンドウを採用
クラウンは、その後もモデルチェンジを繰り返しながら、日本を代表する高級車として自動車技術をリードしてきました。そして、迎えた2018年のこの日、14回目のモデルチェンジによって15代目クラウンが登場したのです。
新型クラウンは、ユーザーの若返りを図り、6ライトウィンドウを採用しクーペ風のスタイリングに変貌。キャッチコピーは、「挑戦と革新を続ける初代コネクティッドカー」です。トヨタの新しい設計思想「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」で統一され、安全技術は第2世代「トヨタセーフティセンス」が標準装備。パワートレインについては、高効率のダイナミックフォースエンジンをベースにした2L直噴ターボエンジンと、2.5Lおよび3.5Lベースのハイブリッドの3種が用意されました。優れた環境技術は当然のこと、上質の走りとともに、スポーティさが加わりました。ただし、セダンの冬の時代は深刻で、クラウンといえども販売は決して好調とは言えませんでした。
●トヨタ初のコネクティッドシステムを搭載
新型クラウンのもう一つの注目は、車載通信機器などによって「つながるクルマ」を具現化したコネクティッドカーの第1弾となったことです。
コネクティッドシステムとは、車内に装備した車載通信機器からコールセンターやディーラー、SNSなどにアクセスして様々な情報のやり取りができる技術です。具体的には、クルマの状態をドライバーに伝えて、メンテナンスのアドバイスや案内、エアバッグ展開(事故)時にコールセンターを介して警察・消防署へ通報することなどです。さらに、ITS(高度道路交通システム)と連携して緊急車両の接近を教えたり、赤信号を警告したり、右折時に対向車や歩行者がいることを警告することなども可能となります。
高級車の代名詞であるクラウンは、1955年の初代の登場以降、67年間の歴史とともに進化してきました。そして、7月15日に登場するといわれる次期型は、FFベースの4WDでSUVテイストの4ドアプレミアムファストバックサルーンではないかとされています。最初に流れたSUV化は凍結したようですが、セダンはもはやシーラカンスのような存在ですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)