■不良っぽい魅力
「オンナが不良っぽいものに惹かれるのは本能なのか? オトコに関しても、クルマに関しても」
ふと、そんな疑問が湧いてきた。
なぜなら、シボレー・カマロは今どき珍しいくらい不良っぽいクルマだからだ。
かつてのヒット曲に「ナイフみたいに尖っては、触るものみな傷つけた」なんて歌詞があったけれど、まさにクルマ版のそれ。
といっても昔のマッスルカーと違って「エンジンだけ強力でサスペンションが対応できていないとんでもないクルマ」っていう意味ではなく、(電子制御機能系をオフにしない限りは)走行安定性はしっかりと確保されている。
だけど不整脈のように波のあるアイドリングや旋回中のちょっとした挙動に、粗削りというか不良っぽい部分があるのだ。
それが、洗練されまくった欧州の高性能クーペとは違うカマロのいちばんの魅力だと思う。
●危険な香り
ボク「不良っぽい感じのどこがいいの?」
彼女「予想できない動きをするところかな。いつも期待を裏切るって、不良っぽいキャラだからこそだと思うの。マジメな人はいつも効率で動くけれど、そこにはサプライズがないっていうか……」
まあ、彼女のいうことも一理あるのかもしれない。
「マジメでよく働くし結婚するにはいいオトコなんだけど、つまんないのよね」という恋愛の相手選びのお約束のフレーズがあるけれど、そういう意味ではカマロはつまんない奴なんかじゃなくてけっこうヤンチャだ。正確に言うと、ヤンチャっぽい雰囲気を漂わせている。
なんだ、これってなぜか美女にモテるパターンじゃないか。
いずれにせよ、カマロはこの不良っぽい雰囲気が醍醐味だ。こういうのは、ただただマジメな欧州勢のハイパフォーマンスクーペにはちょっとないよね。
そして大事な時(限界域)であっさりと裏切ってくれそうなこの危険な香り、ボクもキライじゃないけど。