欧州で2番目に人気のプラグインハイブリッドは三菱エクリプスクロスだった【週刊クルマのミライ】

■日本車で唯一気を吐くエクリプスクロス

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サイド面のシャープなキャラクターラインは「エクリプス」の名前にふさわしい※画像は日本仕様

自動車業界が100年に一度の大変革期と言われて久しい昨今です。すでに欧州では電動化が急激に加速しているのは、ご存知の通りでしょう。

実際、欧州のマーケティング会社であるJATOの発表によると、2022年4月における欧州27の国と地域における新車販売において、19%がプラグイン車両(電気自動車&プラグインハイブリッド車)となっています。

2021年4月のプラグイン車両のシェアは15%、2020年4月のシェアは11%でしたから、着実にプラグイン車両を選ぶユーザーは増えているといえます。

そんな欧州で売れているプラグイン車両では、やはり電気自動車が多数派です。そして電気自動車のトップは日本にも上陸しているフィアット500eで、5524台でした。ちなみに、2位はプジョーe-208(3730台)となっています。

では、プラグインハイブリッドのトップは何かといえばフォード・クーガ(3413台)で、三菱エクリプスクロスPHEVの販売台数は2738台。3位のボルボXC40(2584台)とは僅差ですが、欧州のライバルを抑えて堂々2位となっているのでした。

●ディーゼルを止めたのはトレンドの通りだった

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プラグインハイブリッドのエンジンは2.4Lガソリン。前後独立モーター駆動に加えて、エンジンのダイレクト駆動モードを用意するのが特徴

ちなみに、JATOの調査結果を見る限り、欧州で売れているクルマのランキングで日本車は少数派です。

電動化、エンジン車を合わせたオーバーオールのトップ10に入っている日本車はトヨタ・ヤリスやトヨタ・カローラだけ。プラグイン車両では前述したエクリプスクロスが唯一の日本車です。残念ながら電気自動車のトップ10ランキングには日本車の名前は入っていないのです。

さて、エクリプスクロスといえばもともとプラグインハイブリッドは設定されていませんでした。当初は、1.5Lガソリンターボ、ついで2.2Lディーゼルが追加され、そして日本では2020年12月のビッグマイナーチェンジにおいてPHEV(プラグインハイブリッド)が設定されたという風に進化してきました。

そして忘れてしまっているかもしれませんが、PHEVの追加に合わせて2.2Lディーゼルは消えてしまっています。欧州ではディーゼルが評価されているのにディーゼルを廃止してしまうなんて何事か、という風に捉えた人も少なくなかったと記憶しています。

●アウトランダーPHEVも続いてほしい

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2022年4月、ヨーロッパ(27の国と地域)で売れたエクリプスクロスは2738台、フォード・クーガに次いで堂々2位となった

JATOの調査結果を見ていると、欧州自動車市場ではディーゼルは着々とシェアを縮小しています。というよりも、ガソリン車のシェアはこの3年間を見ても6割弱で変わっていません。

しかし、冒頭で記したようにプラグイン車両が増えているということは、そのぶんだけディーゼル車のシェアが減っているのです。

そうしたトレンドを考えると、エクリプスクロスがディーゼルを廃止して、プラグインハイブリッドを追加したというのは市場の流れを受けた正しい判断だったといえるかもしれません。

ところで、エクリプスクロスPHEVがこれほど売れているのであれば、三菱の電動化に関する知見を詰め込んだ最新モデル「アウトランダーPHEV」も同様に評価されるであろうと期待が高まります。

もっともアウトランダーPHEVは車格的にも価格的にもエクリプスクロスよりプレミアムですから、販売ランキングで上位に入ってくるのは難しいでしょう。

プラグイン車両としては比較的手頃で個性的なエクリプスクロスPHEVだからこそ、欧州で売れているのかもしれません。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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