■スマートな走り
「エンジンの音がしないよね。それに、まるで空飛ぶ魔法のじゅうたんに乗っているようにスーッと走る。どうして?」
彼女はそう、素直な感想と疑問を口にした。
「それはPHEVだから…」と言いかけてやめた。なぜなら、PHEVといっても理解してもらえなさそうだからだ。
PHEVをひとことでいえば、「外部充電可能な大型バッテリーを備えたハイブリッドカー」となる。
その構造上のメリットは、十分にバッテリー残量があればエンジンを止めて走ること。だから静かだし、モーターならではのスムーズな走りが自慢だ。
でも、電気自動車とは違ってガソリンを入れれば充電しなくても走り続けることができる。
新型アウトランダーPHEVの走りのスマートさは、従来に比べて大幅にレベルアップした。とにかく静かで乗り心地がいい。
●彼女が知らないこと
フルモデルチェンジで、メカニズムは全面刷新した。ボディもパワートレインもだ。バッテリーもモーターも出力が大幅にアップして、走りも力強くなった。
正確にいえば、エンジンは基本設計を従来から継承しているけれど、ブロックすら設計が変わっているというから実質、新設計みたいなものだ。そしてそのエンジンは、バッテリー残量が減って始動しても存在感を感じさせない。
エンジン稼働時も、まるでEVのようにモーター走行感が強いのが印象的だ。
「ところで、後ろの席でもとっても乗り心地がいい。快適だね。思わず寝そうになっちゃう」
彼女もご満悦だ。でも、そんな彼女でも知らないことがある。
それは、このアウトランダーPHEVの真骨頂が走りの楽しさだということ。単なるエコカーじゃなくて、実はハンドリングマシンなのである。ボクにとっては、峠道で運転するのが楽しいスポーツカーなのだ。