目次
●軽自動車は維持費が安いは本当か?
ガソリン代の高騰が気にかかる昨今。維持費が安いとされる軽自動車に改めて注目が集まっていますが、実際にかかる費用は普通車と比べてどれくらい差があるのでしょうか。
今回は、普通車と軽自動車、それぞれの車検費用や、税額の違いについて、両者を比較していきます。
・そもそも普通車と軽自動車って何が違うの?
維持費の違いを見ていく前に、普通車と軽自動車の違いを明確にしていきましょう。
「軽自動車」とは、全長3400mm×全幅1480mm×全高2000mm以内、排気量660cc以下、乗車定員4人以下、貨物積載量350kg以下という規格内の自動車を指します。この条件すべてに当てはまるクルマが「軽自動車」で、ひとつでも規格をオーバーすると「普通車」となります。
これまで、自家用軽自動車のナンバープレートは黄色地に黒文字、自家用普通車は白地に緑文字が決まりで、プレートを見れば両者を簡単に見分けることができました。
しかし東京オリンピックナンバーやラグビーワールドカップなどの記念ナンバーが発行されたおかげで、軽自動車でも白地に緑文字のナンバープレートを装着できるようになり、最近は見分けにくくなっています。
とはいえ後方のナンバープレートには大きな違いがあり、普通車の場合には「封印」と呼ばれる、ナンバープレートを簡単に外せない仕掛けがついていますが、軽自動車にはありません。ここで見分けるのが、正確な見分け方となるでしょう。
・普通車と軽自動車の車検にかかるお金の違い
車検にかかる費用の違いですが、普通車と軽自動車を比べると、軽自動車の方が車検費用が安くなっています。
車検にかかる費用の内訳は、主に「法定費用」「車検の基本料金」「整備費用」の3つです。法定費用に含まれる自賠責保険料と検査登録手数料については、両者にかかる費用はほぼ同じですが、重量税は軽自動車の方が安くなっています。重量税はクルマの重量に応じて料金が高くなるので、サイズが小さく、重量が軽い傾向にある軽自動車は税額が安くなります。
車検の基本料は、軽自動車が3万〜5万円、普通車は4万〜5万円と、こちらも軽自動車の方が平均金額は安いです。整備費用についても軽自動車の部品は安価な場合が多く、油脂類の量も少なく済むため、費用が安くなる傾向にあります。
軽自動車の車検代は合計6~8万円と普通車よりも安く仕上がります。ただし、軽自動車も普通車もクルマがものすごく古くなると車検費用が高くなります。それは、クルマが初度登録を受けてから一定の年数が経過すると、重量税が引き上げられるからです。
料金が引き上げられるタイミングは13年目と18年目で、軽自動車の場合13年目に6600円から8200円に、18年目に8800円へ引き上げられます。
・普通車と軽自動車の税金の違い
クルマを所有する人が5月になると憂鬱な気分になる自動車税の支払い、これは毎年払う必要がある税金です。軽自動車はすべて一律の料金ですが、普通車は総排気量によって税額が変わります。
総排気量が「1L以下」「1L〜6L」「6L以上」に大きく分けられており、1~6Lの間は0.5L刻みで税額が設定されています。
軽自動車は普通車よりも税額が安く維持しやすいという位置付けですが、2016年に税率が引き上げられました。昭和から平成末期まで、軽自動車税は自家用乗用で7200円でしたが、それが1万800円に。新しい税額は、平成28年4月以降に新車登録された軽自動車にのみ適用されています。
いっぽう2019年10月、消費税の増税にともなって自動車の税制が新しくなり、普通車の自動車税率は引き下げられました。排気量1000㏄以下のクルマは4500円の減額、1000㏄以上のクルマは排気量に応じて1000円〜4000円安くなっています。
総排気量が小さいクルマほど、減税額が大きく設定されています。その結果、排気量1000㏄のクルマは税額2万5000円、6000㏄のクルマは11万円となっています。この新しい税制度は、2019年10月1日以降に新車登録したクルマにのみ適用されます。
・まとめ
今回は、普通車と軽自動車の車検や税金の違いを解説しました。まとめると、軽自動車の方が普通車より車検費用や税金は安く、維持しやすいクルマと言えるでしょう。両者にかかる維持費の違いを把握して、クルマ選びに役立ててみてください。
(文:佐々木 亘)