スバルのアイサイトがステレオカメラから3眼カメラになる?

■北米向けアウトバックから、ステレオカメラの間に広角単眼カメラを追加

「ぶつからないクルマ?」というキャッチコピーを掲げ、SUBARUの予防安全性能の高さ広くアピールしてきた「アイサイト」。アイサイトのセンシングを担うカメラといえば、ステレオカメラ(2眼カメラ)が採用されてきました。

スバルは、北米向けの主力モデルであるアウトバックの一部グレードに、アイサイトの認識能力を強化する広角単眼カメラを新たに追加採用したと明らかにしました。

SUBARU アウトバック
2023年モデルの北米向けアウトバックに採用される中央の広角単眼カメラ

アイサイトのステレオカメラの間に設置された広角単眼カメラは、ステレオカメラに加わるもう1つの眼として機能するカメラ。ステレオカメラよりも、さらに広い範囲を認識できるのが特徴だそうです。

広角カメラが加わることで、歩行者や自転車の認識性能を向上させることができるそう。

さらに、認識された情報をアイサイトのシステムと連携して処理され、低速で交差点に進入する際の横断自転車や歩行者との衝突回避、万一、衝突してしまった際の被害軽減を支援するそう。

SUBARU アイサイト
以前採用されていたアイサイト用カメラ。中央はアドバンスドセイフティパッケージ用カメラ

なお、3眼カメラはBMWがすでに多くのモデルに搭載しています(日本で発売されたモデルでは、BMWが初めて3眼カメラを採用)。

BMWの3眼カメラは、一般的な中距離検知用カメラ(検知範囲120m)に加えて、車両周辺を広角でセンシングする短距離検知用(30m)、長距離検知用(300m)の3つのカメラから構成されています。

スバルの場合は、新たに広角単眼カメラを加えることで、歩行者や自転車の検知能力を引き上げるそう。

広角単眼カメラが加わったアイサイトは、米国で生産される北米向けアウトバックの改良に合わせて採用。なお、北米向けの改良型アウトバックには、ステレオカメラも2020年に日本で販売が開始されたレヴォーグでの初採用以降、搭載車種が順次拡大されている新型になっています。

新型ステレオカメラは、従来型に対して画角を大幅に広角化したことが特徴で、画像認識ソフト、制御ソフトの改良と組み合わせて搭載されています。これにより、幅広いシチュエーションで運転支援を実現。

加えて、アイサイトによるブレーキ作動時のレスポンスを高める電動ブレーキブースターの採用もあり、万一の事故に備えた対応力が引き上げられています。

SUBARUアウトバック
アウトバックのイメージ(改良前)

こうした安全装備のほかにも、インフォテインメント機能などの改良も盛り込まれた北米向けアウトバックは、2023年モデルとして、2022年秋に米国での販売開始が予定されています。

今回の3眼カメラは、現時点では日本向けについてアナウンスされていませんが、日本仕様への導入も期待されます。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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