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■エンジン縦置きプラットフォームの新型SUV
マツダが直列6気筒エンジンと、それを縦置きにする新しいプラットフォームを開発していることは以前からアナウンスされていましたが、その新アーキテクチャを採用したブランニューモデル「CX-60」が日本初公開されました。
日本での販売開始は2022年初秋ということで、グレード構成や価格といった情報はまだシークレットですが、スタイリングは完全公開。また日本仕様のパワートレインのラインナップも公表されています。
グローバル仕様では直列6気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-X)も用意されるということですが、日本向けの6気筒エンジンはディーゼルのみということです。
総排気量は3283cc、ボア×ストロークは86.0mm×94.2mmと、4気筒のSKYACTIV-D 2.2と同じスペックですから、いわゆるモジュール設計されたエンジンと予想されますが、2段egg燃焼室を採用するなどレベルアップしたクリーンディーゼルとなっています。
ガソリンエンジンは総排気量2488cc、ボア×ストローク89.0mm×100.0mmのSKYACTIV-Gを搭載。いずれもトルコンレスの8速ATを組み合わせることで、ダイレクトな走りを実現しているというのがセールスポイントです。
●パワートレインは4種類を設定
6気筒クリーンディーゼルには、48Vのマイルドハイブリッド「M HYBRID BOOST」を組み合わせた仕様を設定、2.5Lガソリンエンジンには高出力モーターと大型バッテリー(17.8kWh)組み合わせたプラグインハイブリッド仕様を設定しています。
整理すると、
・2.5Lガソリンエンジン
・3.3Lクリーンディーゼル
・3.3Lクリーンディーゼル+マイルドハイブリッド
・2.5Lガソリン+プラグインハイブリッド「e-SKYACTIV PHEV」
という4種類のパワートレインがラインナップされるというわけです。
駆動方式はマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドがAWD(四輪駆動)のみ、2.5Lガソリンと3.3Lディーゼルの純エンジン車はAWDとRWD(後輪駆動)を用意するということです。
もっともベーシックな2.5LガソリンのRWDモデルであれば、CX-5からの乗り換えにちょうどいいくらいの価格帯が期待できそうです。
●プラグインハイブリッドは5つのドライブモード
各パワートレインの最高出力と最大トルクは、
・2.5Lガソリン=138kW・250Nm
・3.3Lディーゼル=170kW・500Nm
ハイブリッド車のシステム出力は、
・3.3Lディーゼルマイルドハイブリッド=187kW・550Nm
・2.5Lガソリンのプラグインハイブリッド=238kW・500Nm
と発表されています。
AWDシステムの構造的には8速ATの後ろにトランスファーを置いて、そこからフロントにプロペラシャフトを伸ばすというもので、いわゆるトルクスプリット型のレイアウトになっています。
前後駆動力配分のコントロール、エンジンとトランスミッションの統合制御によるパワートレインの味つけなど、電子制御による変化が期待できるシステムともいえます。
プラグインハイブリッド仕様には、ノーマル/スポーツ/オフロード/トーイング(けん引)/EVと、5つのドライブモードが用意されることが発表されています。日本仕様でトーイングモードを用意するのは特徴的な部分で、CX-60が従来のユーザーとは異なる客層を狙っていることが感じられます。
成長したボディサイズからもターゲットは従来の国産SUVから上のステージへアップサイジングしたいというマインドを持っている人でしょう。
とはいえ、エンジン縦置きプラットフォームの利点を活かして、最小回転半径を小さくしたり、ミラーtoミラーの数値は初代CX-5よりコンパクトにしたりと、日本での取り回し性にも配慮しているという点は「大きなクルマのデメリットを解消して、新しい価値を作る」というCX-60のコンセプトを示した部分をいえるかもしれません。
■CX-60主要諸元
全長4,740mm
全幅1,890mm
全高1,685mm
ホイールベース2,870mm
トレッド(前/後)1,640/1,645mm
(山本 晋也)