カーシェアから卒業!とうとう本当にクルマ買っちゃいました【東京でクルマ買っちゃいました日記・第7回 納車編】

■第7回にしてやっと「東京でクルマ買っちゃいました」

●お待たせしました、購入したのは割と最初から惚れていたルノー「トゥインゴ」

こんにちは、東京の真ん中でクルマを買おうと思いついて数ヵ月。時間はかかりましたが、さまざまな人の後押しもあり、ついにクルマを購入しました、ライターの半澤です。

「東京でクルマ買っちゃいました日記」というタイトルで連載してきましたが、これまではひたすらに葛藤と苦悩の日々。タイトルと違うじゃないか、早くクルマ買えよ、とそのようなご批判もあったでしょう。

大変お待たせしましたが、本当に「買っちゃいました」となるのはこの第7回から。『ドラゴンボール』で言うところのフリーザ編が完結し、セル編突入くらいのチャプターチェンジ感がありますね。トランクス登場で、物語はいよいよ盛り上がりますよ! いやぁ、フリーザ編長かった。ナメック星にどれだけ長いこと居ついたことか。

ついに購入したクルマはルノー「トゥインゴ」。あまり使うシーンはないけれど、天井が開くよ!

ではいよいよ、ボクのクルマを紹介しましょう。こちら、以前の回で訪れたディーラーで購入したルノートゥインゴ」キャンバストップ。6年落ち、走行距離3万3000km。排気量900cc、色はブルードラジェという薄い水色。車検は1年弱あります。

思えば第3から目をつけて憧れていたクルマでした。一度は欧州コンパクトカーの王道「ルーテシア」に心を奪われたものの、トゥインゴ自体があまり多くないクルマであり、さらに天井の開くキャンバストップ仕様。

何より、この爽やかな色に惚れ込んでついに購入となりました。

●ルノー正規ディーラー認定中古車の見積書が、まさかの切り札に

それでも、前回の記事を読んでくださった方には大きな疑問が残るでしょう。

というのも、この半澤という金にうるさそうな男、「ルーテシア」よりも高額な「トゥインゴ」を買いそうな雰囲気はなかったのです。何せ180万円オーバーと高額。予算100万円と言ってきたボクにとってはあまりに高い買い物でした。

こちらがボクの奥の手。正規ディーラー認定中古車の見積書

が、しかし、こちらには大きな切り札がありました。それがこちら。正規ディーラー認定中古車の見積書です。

実は埼玉の中古車ディーラーを訪れる前に、ボクはルノー正規ディーラーの認定中古車の見積書をもらっていました。実際に神奈川に行ってみてから検討する予定だったんです。

こちらはルノー「トゥインゴ」5年落ち、色は赤、車検2年付で161万円。条件は埼玉の「トゥインゴ」より良く25万円も安い! 仕様上の大きな違いは屋根が開かないタイプということですが、それを加味してもこの見積もりはかなり魅力的に思えました。

ディーラーの認定中古車もいろいろ調べていたのですが、そんなに数が多いわけではありません。こちらは神奈川のディーラー。割と近所で目当ての車種があったのが、すでに奇跡と言えるレベルでしょう。

そんな事情もあり、埼玉の中古車ディーラーで180万円の見積書を見てからは、神奈川のクルマと合わせて検討しようという思いが募っていました。けれど、この「他社見積もり」を埼玉の中古車ディーラーの営業に見せると、風向きが大きく変わります。

●衝撃の25万円引き。喜ぶどころか、むしろ頭が大混乱!

営業:「なるほど、それでは今、半澤さんはこちら横浜の赤いトゥインゴと、当社の水色のトゥインゴキャンバストップで悩まれているということですね」

半澤:「つまり、そういうことになります」

営業:「では、一度ルーテシアは忘れてトゥインゴで考えていきましょう」

半澤:「確かに、今考えているのはトゥインゴですね」

営業:「これは私だけでは決められないので少しお待ちいただきたいのですが、改めてお見積もりを出させていただきたいです。いかがでしょう」

半澤:「はぁ」

クチグルマにうまく乗せられた格好ですが、ボクの気持ちはもう完全にルーテシアからトゥインゴに移っていました。それからしばらく経って、営業さんが戻ってきて驚きの見積書を提示しました。

先程まで180万円オーバーだったものが、全部コミコミで161万円。なんと神奈川の正規ディーラー認定中古車の金額にぴったり合わせてくれたのです。「車両値引き」という欄に「▲25万円」とあり、震えました。

営業:「横浜の見積もりに合わさせていただく。これが、うちの限界です。ガラスコーティングは付いていますが、すいません、ドラレコは付けられません。そして、やはりこちらはキャンバストップということを今一度考えていただきたい。これは後付けできるものではないし最初からタマ数も少ないんです。そういう希少性も考えると悪い選択ではないかと思います」

半澤:「なるほど、ありがとうございます。しかし、これは困りましたね。やはり今日、ここで決めないとダメでしょうか」

営業:「はい、あくまで本日お出しできる金額とご理解いただきたく」

今のところ文句なしで人生一番のデカい買い物。どうやって決断したかの記憶は希薄

いやぁ、まさか25万円のディスカウント! うれしさもありましたが、それ以上にこれは追い込まれたという想いになりました。

ここで首を縦に振るか横に振るかで人生変わるんじゃないか。気づけば手に汗をかきました。頭がえらく混乱していることに気付きましたが、汗ばむ手をさらに握りしめるだけ。

しばし、空になったコーヒーカップを見つめぼんやりとしました。クルマを買うとは、こんなにもドラマチックなものか。こんなに心が揺さぶれるものか。もう一度、クルマを見せていただいていいでしょうか。気づけばボクはそう言って外に出て、再び「トゥインゴ」の前に立っていました。

その後、どんな風に思考回路が動き、最終的にどういう感情になったのかは正直覚えていません。

気づけば161万円という数字が記載された売買契約書と向き合い、うんうん唸ったのちにサインをしていました。この中古車ディーラーにいた時間は3時間かそこらだったはずですが、ボクにとってはあまりに長すぎる午後でした。最終的には営業さんの想いに、背中を押してもらえたのだと思います。

●20万円以上の値引き。喜ぶどころか、むしろ頭が混乱する

買いたてホヤホヤ!テンションが上がりきり、笑顔をつくるのが下手な半澤の図

というわけで、冒頭に戻ります。ご覧のようについに納車されました。納車と言っても届けてはくれず、はるばる埼玉まで取りに行くことになりました。この連載で何度も登場いただいた友人のカメラマンFさん夫妻のご実家が埼玉ということで、里帰りついでに送ってくれるということに。冒頭の写真も撮影してもらいました。

こちらはクルマの納車を終えてすぐの写真です。生まれて初めてマイカーを手に入れ10分後の姿。満面の笑みだったつもりが、今見ると少し緊張感がありますね。初めてのマイカーに感慨ひとしおだったのでしょう。

ついに連載タイトルに嘘偽りなく「買っちゃいました」。クルマ離れが叫ばれる今、ボク自身も長くカーシェアを活用してきて、マイカーなんて夢のまた夢と思っていました。

でも、やはり自分のモノを持つという喜びはとても大きいです。おいおい、お前、当初予算の1.6倍も払っているぞ、というツッコミが聞こえてくる気もしますが、今はとりあえずマイカーを手に入れ大満足。しばし、この余韻に浸らせてください!


次回、第8回【車庫証明手続き編】面倒、金がかかる。マイカーゲットでニヤニヤ中のボクを襲う、厄介な手続きの数々!

半澤 則吉

この記事の著者

半澤 則吉 近影

半澤 則吉

1983年福島県生まれ。お金、レシピ、収納といった日々の暮らしまつわる事柄を専門とするライター。町中華を巡る町中華探検隊、ドラマライターとしても活動する。会社員時代にスズキスイフト(2代目)に乗っていた以外車との関わりはなく、父がスバルの歴代の名車を乗り継ぎ、母がダイハツミラジーノを愛車としているため、輸入車とは縁のない人生を送ってきた。
が、一念発起しフランス車を購入。車のある人生にわくわく中。
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