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■長期リース型サブスクに関するユーザー調査
近年、一般的になってきた「サブスク(サブスクリプション・サービス)」。さまざまな商品やサービスを定額料金で自由に利用できることで、日常生活のあらゆるシーンに浸透してきていますよね。
ひと口にサブスクといっても、音楽聴き放題や動画の見放題、新聞や雑誌が定期的に届くサービスや洋服やコスメなど、まさに多種多様。最近はクルマはもちろん、家具・家電や住居、アートなど、高額な商品を長期で定額利用できる「長期リース型サブスク」なるものも登場してきています。
長期リース型サブスクは、まだあまり一般的に知られていないイメージもありますが、実際に、一般の人はどれくらい利用しているのでしょうか?
定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、全国の男女2182名を対象に、こうした長期リース型サブスクの利用に関する調査を実施。現在、実際に利用されているサービスの人気ランキングなどを発表しました。
●長期リース型サブスクとは?
今回の調査は、2022年2月18日〜2022年2月28日の期間、インターネットにより質問に対する回答を選択するアンケート形式で実施されたものです。
ちなみに、ここでいう長期リース型サブスクとは、前述の通り高額な商品を月額いくらなど定額で長期間利用できるサービスのこと。
クルマの場合では、新車や中古車を税金やメンテナンス代、車検代などといった諸費用込みの月額利用料を支払うことで利用できるサービスが一般的。契約期間は1年、3年、5年、7年など長いものが多く、なかには11年の長期契約ができるものもあります。
なお、現在はトヨタ(KINTO)をはじめ、日産(クリックモビ)やホンダ(ホンダ・アマンスリーオーナーなど)、三菱(ウルトラマイカープラン)やスバル(SUBARUサブスクプラン)、スズキ(スズキ定額マイカー)といった自動車メーカーでもサービスを開始。
ほかにも、今回調査を実施したナイルの定額カルモくん、DeNA SOMPO Mobilityが運営する「Anyca(エニカ)」など、自動車メーカー以外の企業が提供するサービスもあります。
●長期リース型サブスクの利用者は17.6%
調査では、まず、「長期リース型のサブスクを利用しているか」を質問。結果は以下の通りです。
・「利用している」:17.6%(383名)
・「利用していない」:82.4%(1799名)
「利用していない」が8割を超える結果となったことで、まだまだ一般的には普及していないことが分かります。また、この結果は、男女でも大きな差はなかったといいます。
なお、これを10代〜60代の年代別に見てみると、利用している人の割合が最も高かったのは20代で27.4%、最も低かったのは60代の7.3%。
10代と20代で長期リース型のサブスクを利用している人の割合はそれぞれ25%を超えている一方、30代〜60代で利用している人の割合は20%以下にとどまり、年代による違いが大きくみられたといいます。
●サブスク利用者は高価な商品で多い
調査では、続いて、長期型サブスクを利用していると答えた383名へ対し、「利用しているサブスクをすべてお答えください」といった質問を実施(複数回答可)。結果は以下の通りです。
1位:「家具・家電」 37.85%(145名)
2位:「自動車」 32.11%(123名)
3位:「自転車(電動自転車も含む)」 28.45%(109名)
4位:「アート」 21.14%(81名)
5位:「サブスク型住居」 18.53%(71名)
6位:「そのほか」 16.97%(65名)
最多となったのは「家具・家電」。これらは、たとえば輸入ものなどの高級家具では、購入するとかなり高額になるため、模様替えなどの際に簡単に変更できなかったものです。それが、サブスクにより、気分次第で変更できるという利点が人気なのでしょうね。
一方、2位の「自動車」や3位の「自転車(電動自転車も含む)」なども、購入する場合は初期費用の負担が比較的高い商品。サブスクであれば、最初のハードルが低いことで、利用する人が多いことが伺えます。
●サブスクにしてよかった点とは?
調査では、さらに、長期型サブスク利用者に「サブスクにしてよかった点」も質問。結果は以下の通りです。
1位:「使いやすい」 33.3%
2位:「経済的」 23.1%
3位:「いろいろ試せる」 10.3%
4位:「定額」 9.4%
5位:「やめやすい」 5.1%
6位:「楽しい」 5.1%
7位:「そのほか」 13.7%
なお、1位の「使いやすい」では、具体的に「すぐに使える」「使いたい期間だけ利用できる」といった意見があったそうです。
また、2位の「経済的」では、「手放す時に掛かる費用が安く済む」「お金の心配をせずライフスタイルの変化に合わせて変えやすい」などの意見があったといいます。やはり、購入する場合と比べ、金銭的に軽い負担で利用できることをメリットに感じる人が多いようです。
調査を実施したナイルでは、こうした長期リース型のサブスクを利用する人は年々増加傾向だといいます。
今回の調査でも「サブスクを使用している年」について聞いていますが、2022年にサブスクを使用している人の数は、2018年以前と比べると2月時点で3.8倍以上。同社では、「今後さらに利用する方が増えていくことが予想されます」と言及しています。
今回の調査でもわかる通り、クルマや家具、家電などの高額商品では、初期費用などが低いことで、サブスクを利用している人も多いようです。今後、こうしたサービスの利用者が増えていけば、クルマの所有に関する形態もかなり変わっていくかもしれませんね。
(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)