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■実績あるディーゼルを2008に新搭載
プジョーのコンパクトSUVモデル「2008」に新グレードGT BlueHDiが設定されました。
プジョーファンならおわかりのように、このグレード名はディーゼルエンジン搭載車に与えられるものです。つまり、これまで1.2Lガソリンターボと100%電動モデルの2種類だけの設定だった2008にディーゼルエンジン車が登場したというわけです。
そのエンジンとは、Cセグメント車の「308」やスライドドアのクロスオーバーSUV「リフター」でもおなじみのDV5型エンジンです。1.5Lの4気筒ディーゼルターボエンジンです。
かつてリフターに試乗した経験を思い出せば、このエンジンが生み出す走りがSUVらしい走破性を高めることに疑う余地はありません。
組み合わされるトランスミッションは、これまた実績のある8速AT。変速比自体はガソリンターボと同じですが、最終減速比をガソリン車の3.537から3.231へとハイギヤード化することで、よりゆったりとした走りが期待できるスペックとなっています。
はたして、ディーゼルエンジンを得た2008はどのような走りを見せてくれるのでしょうか。
試乗の機会を得る前に、ガソリンターボとのスペックを比較しながらその走りを想像してみましょう。
●エンジンスペックは130PS、300Nm
1.2L 3気筒ガソリンターボと1.5L 4気筒ディーゼル、いずれのエンジンも、最高出力は96kW(130PS)で共通です。
その発生回転はディーゼルが3750rpm、ガソリンターボは5500rpmと高くなっていますから、常用域でパワフルなのはディーゼルであることは間違いありませんが、ピーク性能ではさほど違いはないともいえます。
このあたり”パワー・オブ・チョイス”という、エンジンと電動どのパワートレインを選んでも走りの性能差を最小限としたプジョーらしいコンセプトを感じます。
メーカー希望小売価格は新設定されたディーゼルエンジンのGTグレードが390万円、ガソリンターボのGTグレードが367万円となっています。23万円というのは、ガソリンターボとディーゼルの価格差としてはさほど大きくない部類といえるでしょう。
とはいえ、最大トルクは異なります。ガソリンターボは230Nm、ディーゼルは300Nmとなっています(発生回転はともに1750rpmで共通)。この太いトルクがなにを生み出すのでしょうか。日常域での余裕はもちろんですが、オフロードでの粘りが異なるはずです。
実際、同じエンジンを積んだリフターは、低速トルクがリニアに発生するため、滑りやすい未舗装路をものともせずに走破していく性能を持っていました。
2008のガソリンターボは、そうしたシチュエーションでトルク不足を感じることもありましたが、新搭載された1.5Lディーゼルであれば粘りのある走りが期待できるというわけです。
●ディーゼル車の主要スペック
今回のディーゼルエンジン搭載にあわせて、2008エンジン車のシフト操作系がトグルタイプの斬新な意匠に変わっています。
ステアリングホイールの上からメーターを覗き込む3D i-Cockpitの未来感も一層増したといえるでしょう。デザイン性だけでなく、センターコンソールの収納力が増しているという実用性のディテールアップも見逃せません。
あわせて、ディーゼルエンジン追加を記念した特別仕様車「2008 GT Pack BlueHDi」が設定されました。
このモデルは2008として初めてナッパレザーシート(ブラック)と運転席電動シート & アクティブランバーサポートを装備し、パノラミックサンルーフを標準化した豪華仕様で、メーカー希望小売価格は421万5000円となっています。
■プジョー2008GT BlueHDi主要諸元
車両型式:3DA-P24YH01
全長:4305mm
全幅:1770mm
全高:1550mm
ホイールベース:2610mm
車両重量:1320kg
乗車定員:5名
エンジン型式:DV5
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1498cc
最高出力:96kW(130PS)/3750rpm
最大トルク:300Nm/1750rpm
変速装置:8速AT
燃料消費率:20.8km/L (WLTCモード)
タイヤサイズ:215/60R17
メーカー希望小売価格(税込):390万円
(山本晋也)