■スズキの歴史をいろいろな車種で味わえる
自動車の歴史的単行本の発行でもよく知られている三樹書房から、自動車メーカー「スズキ」の歴史が一冊にまとまった単行本『スズキ 鈴木式織機創立から100年』が発売されます。
車種の図版もふんだんに盛り込まれ、巻末には年表や、生産・販売台数や海外生産拠点も収録されており、資料性も高いもの。見ても楽しく読んでもうなづけるものです。
●自動車ファンみんなにスズキが与えてくれたもの
日本の自動車メーカー「スズキ」が株式会社として立ち上がったのは1920年3月、前身の「鈴木式織機」からだそうです。
1909年に「鈴木式織機製作所」を創業していた鈴木道雄は、企業規模も大きくなっていくなかで、織機から叩き上げてきた機械技術の力量を次なる分野へ、自転車補助エンジンからオートバイ、自動車へと注ぎ込んでいったのです。
1954年「鈴木自動車工業」へ、1990年に現在の「スズキ」へ社名を改称してきましたが、2020年が創立100周年でした。現在の世界に冠たる自動車メーカーへと飛翔を遂げてきたその流れが一冊に凝縮されているのです。
スズキ初の市販自動車は1955年の「スズライト」。昭和半ばの時代に誰もが欲しがっていたクルマに対してのスズキからの提示は、日本初の軽自動車でした。前輪駆動も世界初の採用、初づくしからの始動でした。
以来、昭和から令和に至っても、若者たち、ファミリー、年配者、実用の場も農林水産業から都市の隅々のシティロード、郊外レジャーに至るまで、幅広い層の人たちの自動車への様々な思いや憧れを身近に体現させてくれている車種の数々。
日本ならではの軽自動車、コンパクトカーなど、個性的なクルマが目じろ押し、今でもそう、それがスズキのような気がしてなりません。そして全国津々浦々はもはや、アジア方面ベトナム・インドなど邁進が続いています。
『スズキ 鈴木式織機創立から100年』に盛り込まれている車種を追って行けば、スズキファンならずとも、いろいろな思いが込み上げてくる楽しさがあるでしょう。
狭い山間路でもたじろがないジムニー、働く相棒キャリー、コンパクトでも驚きのターボ力だったアルトワークス、走り甲斐のあるスイフトスポーツ、家族思いのスペースをいち早く開拓したワゴンR、いろんなクルマが思い起こされます。が、そればかりではありません。
2020年までの内容となっていますので、いま活発に走っているスズキ車もじっくりと、読んで見て味わえるわけです。
『スズキ 鈴木式織機創立から100年』は三樹書房から3月1日(火)に発売されます。
■『スズキ 鈴木式織機創立から100年』
編者:自動車史料保存委員会
発行:三樹書房
体裁:B5判・上製・288ページ(カラー口絵48ページ)
定価:本体価格3800円+税
発売:2022年3月1日
(文:Clicccar編集部/写真:三樹書房、スズキ)