■フィールドジャーニーには、濡れたり汚れたりした荷物も積めるサブトランクを用意
以前お伝えしたように、マツダCX-5は、2021年11月にマイナーチェンジを受けています。MAZDA3などに採用されている「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」という設計思想が注入され、乗り心地の向上など、動的質感のさらなるブラッシュアップが図られています。
同時に、特別仕様車の「Sports Appearance(スポーツアピュアランス)」「Field Journey(フィールドジャーニー)」を追加することで、前者はスタイリッシュかつスポーティな志向に、後者はアウトドアフィールドにも映える好みに応えています。
新たな走行モード「MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT(Mi-DRIVE)」が用意されたのも新型CX-5のトピックス。
特別仕様車の「フィールドジャーニー」には、唯一「OFF-ROAD」モードが搭載されています。
このオフロードモードは、AWDの後輪へのトルク配分を増やすことでトラクションを高め、悪路走破性の向上、スタックした際の脱出性を高めています。
高速域までリヤにトルクを伝えることで、高いスタビリティを実現。さらに、オフロードに最適化された「GVC(G-ベクタリングコントロール)」により、タイヤの接地性も高められています。
トラクションコントロールもオフロード用に最適化されていて、タイヤが空転しても即座に接地輪に駆動力を伝えることで、スタック時や泥濘路などでの走破性を引き上げています。
ユニークなのが、登坂性能を高めるアイドリング制御です。クルマが斜めになるようなシーンでは、ステアリングの舵角と車体の傾きを検知して、進む方向が登り坂なのか下り坂なのかを車両が検知。
登り坂だとアイドリング時の回転数を高めることで、発進しやすくし、下り坂の場合は、アイドリングの回転数を下げることで、速度の調整がしやすくなるものです。
特設のテストコースでは「オフロード」モードにすると、滑りやすいシーンや片輪が浮くような場合でも容易にクリアできるだけでなく、車両が斜めになると、登り坂では操舵に応じて自動でアイドリングが高まることも確認できました。
さらにガソリンエンジン車には、ATのトルコン制御をオフロード用に最適化し、より滑らかでスムーズなトルク伝達を可能にしています。
現行型CX-5は、高級ホテルのエントランスも似合うスタイリッシュなムードを放つ一方で、新設された特別仕様車の「フィールドジャーニー」は、リバーシブルラゲッジボードを備え、濡れたり汚れたりした荷物も躊躇なく積めるサブトランクも備わります。
以前お伝えしたように、同仕様は、アウトドアに映える内・外装や装備、悪路でも安定した走りが可能になっていて、アウトドアやアクティビティを楽しむ人にも頼れる存在になっています。
(文:塚田 勝弘/写真:前田 惠介)