■実用性だけじゃない!
トヨタ「ヤリスクロス」を筆頭に、マツダ「CX-3」、そして日産「キックス」。BセグメントのコンパクトクロスオーバーSUVは、今や売れ筋ジャンルのひとつだ。
そんななか、ホンダ「ヴェゼル」の自慢はこのクラスでもっとも実用性が高いことだろう。後席の広さはクラスナンバーワン。ラゲッジスペースの広さも最大級(残念ながらキックスよりは狭い)。
全長4330mmとは思えないほど空間が広く、その実力はクラス的にはひとつ上となるトヨタ「カローラクロス」を超えるほどだ。
だけど、ボクがヴェゼルを選んだ理由はそこではない。デザインを気に入ったからである。
はじめて写真を見たときに驚いたのは、より大きな車体サイズのような風格を持っていること。実際の車体サイズは先代と変わらずコンパクトなのに、まるでミディアムクラスのSUVのように見えることには、ちょっと驚いた。
●際立つ存在感
大きく見える理由は、プロポーションが先代よりも伸びやかだからに他ならない。
ボンネット先端が先代よりも前に突き出ていることでボンネットが長く立派に見えるし、後部やリヤウインドウを寝かせたことで流行のクーペ風となり優雅さが増した。
実際に見ても、車体がコンパクトとは思えないほど存在感がある。だけど、実寸は大きくないから日常の運転が楽なのがいい。
「私もけっこう気に入ってるよ。だって目がカワイイから。エアコンのダイヤルを回した時にカチカチする手ごたえも好き」
彼女も気に入ってくれているようだけれど、見ている部分はボクとは結構違うみたいだ。でも、それでいいんじゃないかな。同じ部分を気に入る必要なんてないわけだし、全体として気に入ってさえくれれば問題なしでしょ。
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:東海林里咲/ヘア&メイク:稲越夕貴/写真:ダン・アオキ)