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■先行予約から3ヵ月で受注が1万台超
三菱自動車が2021年12月16日に発表した新型アウトランダーPHEVが、売れに売れています。
同社の発表によると、2021年10月28日の先行受注開始から約3ヵ月後となる2022年2月5日の時点で、なんと累計受注は1万台を超えたということです。モデルチェンジ前は1年間で1.1万台程度の販売規模でしたから、新車効果があるといっても予想以上の売れ行きといえそうです。
●約532万円の最上級グレード中心に売れている
さらに驚くべきことに、新型アウトランダーPHEVにおける売れ筋グレードは、最上級グレードの「P」で、その比率が8割と非常に高くなっていることです。
「P」グレードには、BOSEプレミアムサウンドシステム、3ゾーン独立温度コントロール式オートエアコン、運転席・助手席パワーシート、ヘッドアップディスプレイなど、魅力的な専用装備が備わっています。が、それでもメーカー希望小売価格532万700円という高価なプラグインハイブリッド車がこれほどの勢いで売れるというのは、予想外ではないでしょうか。
しかも、新型アウトランダーPHEVの購入層においては、その8割が「初めて三菱自動車のプラグインハイブリッド車を購入する」ということです。従来モデルからの乗り換えではなく、新規需要を掘り起こしているという点でも、かなりの好スタートを切ったといえそうです。
ちなみに、新型アウトランダーPHEVのグレード構成とメーカー希望小売価格は次のようになっています。
P(7人乗り):532万700円
G(7人乗り):499万6200円
G(5人乗り):490万4900円
M(5人乗り):462万1100円
いずれも2.4Lエンジンと前後ツインモーターによる電動4WDのパワートレインは共通で、先進運転支援システム「マイパイロット(ナビリンク機能付き)」や100V AC電源(1500W)、V2H用DC電源などが全グレードに標準装備となっています。まさに、電動化時代に必要なものは揃えたプラグインハイブリッドなのです。
●最大50万円の補助金が人気を支えているか?
それにしても、約532万円というプライスタグを掲げた最上級グレードが売れ行きの中心にあるのは、なぜでしょうか。
三菱自動車の発表によると、購入時における補助金や各種の優遇税制などが販売を後押ししているということです。たしかに、政府が進めるクリーンエネルギー自動車導入促進補助金だけでも、アウトランダーPHEVは50万円が見込まれています。
グレード構成を見てもわかるように、7人乗り仕様で比較すると、グレード間の価格差は約33万円となっています。その差額を埋めて十分余裕のある50万円の補助金が期待できるなら、最上級グレードをオーダーしてしまおうというマインドになっていることは想像に難くありません。
もっとも、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の最大額は、どのグレードでも50万円ですから、割引率という視点でいえばエントリーグレード「M」を選んだほうがオトクなわけですが、そうした判断をするユーザーが少数派に見えるのは、現時点で新型アウトランダーPHEVにおいては3列シートの7人乗り仕様が販売の中心となっているからにほかなりません。
実際に座ってみると、エマージェンシー的な3列目シートですが、大は小を兼ねるとばかりに「ないよりはあったほうが便利」なのも事実。
日常的にはゼロエミッション走行ができ、休日にはガソリンを補給することで充電待ちをすることなく遠出ができるプラグインハイブリッド車は、クロスオーバーSUVの中心になっていくのでしょうか。