全7大会10戦&よりレースを楽しめる新アプリ開発!2022シーズンのスーパーフォーミュラは大きく変わる

■スーパーフォーミュラ2022の大会概要発表

トークセッションのメンバー
トークセッションのメンバー

全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(以下JRP)は、東京・お茶の水のaxle御茶ノ水でスーパーフォーミュラ2022シーズンの開催概要と「SUPER FORMULA NEXT50プロジェクト」の進捗状況を説明する記者会見を行いました。

スーパーフォーミュラNEXT50 発表会
スーパーフォーミュラNEXT50 発表会

2021シーズンまで2レース制を含めて全7戦として開催されていたスーパーフォーミュラ。

2レース制の場合は1レースにつきハーフポイントが付与されていましたが、2022シーズンでは7大会10戦として開催されることとなります。

開催概要を説明するJRP 上野禎久社長
開催概要を説明するJRP 上野禎久社長
2022年のレース日程
2022年のレース日程

4月に行われる開幕大会の富士スピードウェイ、8月のツインリンクもてぎ、10月の鈴鹿サーキットでは1大会2戦開催となりますが、ポイントはフルポイントが付与されることとなります。

統一された決勝スタート時間
統一された決勝スタート時間

また、この10戦の全てでレースのスタート時間が14時30分と設定されることとなり、スタート時間を統一することで、観戦来場者などがチケット購入する場合に予定が立てやすいという利便性を持たせています。

大会日程ごとのレースフォーマッチ
大会日程ごとのレースフォーマッチ

予選についても、これまでノックダウン方式によりQ3まで行われていましたが、1戦あたりの使用タイヤ本数などを削減するなどのエコロジー的な目的もあって、2グループ制のQ1から各6台がQ2へ進出、その12台によるQ2で上位グリッドが決定するというQ2制となりました。

そして1大会1戦開催の場合は土曜日に90分、日曜日に30分のフリー走行が設けられますが、1大会2戦開催の場合は金曜日に行われる占有走行90分間となります。

●youtubeの有料配信と専用アプリでエンターテインメント性が格段にアップ!

開催概要に続きエンターテイメント分野での発表も行われました。

yoputubeの配信がメインに
yoputubeの配信がメインに
スーパーフォーミュラ観戦アプリ SF-GO
スーパーフォーミュラ観戦アプリ SF-GO

BSフジで放送されていたレース中継は2021シーズンで終了となり、2022シーズンはyoutubeでの配信がメインとなります。

無料で楽しめるものとしては、フリー走行やテスト走行、レースダイジェスト、ステージ中継などがあります。予選と決勝のライブ中継は月額90円のエントリー会員から視聴が可能となり、月額490円のプレミアム会員ではシーズンの全レースをアーカイブとして視聴することが可能となります。

なお、アーカイブは1970年代のF2000シリーズから視聴ができるようになるといいます。エントリー会員もプレミアム会員もレースを視聴するということに関して言えば、破格ともいえる金額設定となっています。

そして「SUPER FORMULA NEXT50プロジェクト」の要でもある、現在開発中のスーパーフォーミュラ観戦アプリ「SF GO」の進捗状況も発表されました。

開発中の画面を見るとギアの段数、エンジン回転数、オーバーテイクシステムの残量、燃料残量、タイヤの摩耗度とタイヤ温度などが表示されており、また音声ではドライバーとピットの間の無線でのやり取りが全て聞けるというものとなっているようです。

スーパーフォーミュラ観戦アプリ SF-GO
スーパーフォーミュラ観戦アプリ SF-GO

アプリの正式リリースは2023シーズンとなるようですが、2022シーズンではこのアプリの開発モニターを300名募集し、実際に観戦の場で活用してもらい、そのフィードバックでより完成度の高いアプリを開発したい、としています。

このアプリの高機能ぶりと月額会費が手ごろなYoutubeの組み合わせは、自宅での観戦はもとより、サーキット観戦をも充実した楽しいものとなることでしょう。

後半のトークセッション
後半のトークセッション

概要説明や「SUPER FORMULA NEXT50プロジェクト」の進捗状況の説明が終わったのち、発表会の公判ではプロジェクトをコンサルタントの立場で支えるデロイトトーマツの三木要氏、2021シーズンのドライバーチャンピオンとなった野尻智樹選手、チームチャンピオンとなったTEAM IMPULの関口雄飛選手、平川亮選手、そして「SUPER FORMULA NEXT50プロジェクト」の中で、M-TECHなどと人工自我AIの共同研究を行う、東京大学道徳感情数理工学講座の光吉俊二特任准教授が登壇。

東京大学の光吉俊二特任准教授らが開発したレース用バイクの感情を可視化する仕組み
東京大学の光吉俊二特任准教授らが開発したレース用バイクの感情を可視化する仕組み

そのトークセッションで光吉俊二特任准教授らが開発した、機械の感情を可視化する仕組みの説明が行われました。

東京大学の光吉俊二特任准教授らが開発したレース用バイクの感情を可視化する仕組み
東京大学の光吉俊二特任准教授らが開発したレース用バイクの感情を可視化する仕組み

ドライバーの感情、機械やレーシングマシンの感情、ファンの感情などを可視化して組み合わせていくことで、単純に速さや強さと言った表現だけではなく、共感を呼ぶ戦い方などの新たな価値観の創造を図っていこうというJRPの目論見があるようです。

ただし、現段階ではこの仕組みをどう使っていくかという検討が始まった、ということに留まっているようで、この先の展開に注目をしていきたいところです。

これから4月の開幕までに様々なことが決まり、始まっていくというスーパーフォーミュラは、かつてないほどの大変革を行おうとしています。

レースの開催概要でもあった予選や決勝のやり方の変化も含めて、2022シーズンのスーパーフォーミュラからは目が離せません。

(写真・文:松永 和浩

【関連リンク】

スーパーフォーミュラ公式サイト
https://superformula.net/sf2/

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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