目次
■E-GTレギュレーションに沿ったEVマシンでニュルブルクリンクを駆け抜ける!
東京オートサロン2022・SUBARU/STIブースでひときわ注目を集めていたマシンが「STI E-RAコンセプト」。
すでにWRX STIでニュルブルクリンク24時間レースにSTI NBRチャレンジとして参戦を重ねてきたSTIですが、新たに環境問題を克服しつつ、新しいモータースポーツの形として、STI E-RAコンセプトを発表しました。
このマシンは、特に決まったレースカテゴリに参戦する車両ではなく、世界で最も過酷と言われるドイツ ニュルブルクリンクサーキットでのタイムアタックを目的としたモデルですが、その仕様はFIA E-GTのレギュレーションに沿った仕様となっています。
ベースとなるのは昨年、悲願のシリーズチャンピオンを獲得したBRZ GT300をベースとしたレース車両です。
その名前からもおわかりいただける通り、4つのモーターを搭載するEVで、モーターにはヤマハ発動機製のハイパーEV向けを搭載。バッテリーにはリチウムイオン式を採用しているそうです。
名前のE-RAのEはもちろんElectricの頭文字で、RAはRecord Attemptの意味をもち、このRAというネーミングは初代レガシィが世界速度記録に挑んだRStypeRA以来、インプレッサWRX typeRAなど、記録へ挑戦するモデルの象徴的名称として使われ続けています。
●システム総出力はなんと1088ps!
このE-RAコンセプトは、システム総出力は800kw。馬力に換算するとなんと1088psにも及ぶそうです。この高出力に対応するために、重要となるのは冷却で、バッテリーは空冷、インバーターはラジエターを搭載する水冷、モーターはオイルクーラーを介する油冷式となっています。
そして、このSTI E-RAコンセプトで最も注目しておきたいポイントは六連星のエンブレムはどこにもなく、フロント中央にもSTIロゴが輝いています。
これはSTIが主導で製作したマシンであり、SUBARU車というより、STI車というイメージになります。とはいえ、デザイン面ではSUBARUの協力もあり、前述の冷却や空力などの面でSUBARUのもつ高い技術力とノウハウもふんだんに取り入れられているそうです。
●空力と冷却性能を併せ持つSTI E-RAのデザインはSUBARUが担当
ルーフ上に設けられたバッテリー冷却用のインテークをはじめ、リヤのディフューザーなどにそのデザインと性能の両立を見ることができます。また、スバル車共通のイメージであるコの字型ヘッドランプも採用しています。
年内には実際に走行する様子も見ることができる予定となっており、この抜群にカッコいいEVマシンにスバルファンのみならずとも期待が膨らみます。
(井元 貴幸)