コロナ禍のクルマ意識を調査。次に買いたい愛車はハイブリッドが1位、使い方で人気はアウトドアや音楽・映画

■コロナ禍でクルマの保有意識や欲しいタイプは変わったか?

コロナ禍は、2年近く経っても依然として先が読めない状況が続いていますが、クルマの保有意識や購入したいタイプ、利用方法などにも影響はあるのでしょうか? 国際的マーケティングリサーチ企業のJ.D.パワーでは、2021年に「コロナ禍のカーライフとモビリティ」に関するアンケート調査を実施。

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
トヨタ・プリウスなどハイブリッド車が人気

その結果、クルマの買い替えを控える人が多い一方で、若い世代には将来クルマを持ちたい人の比率が意外に高いことなどが判明。

また、次に買いたいクルマはハイブリッド車が最多であることや、アウトドアや音楽・映画の鑑賞にクルマを利用したい人が多いことなどが分かりました。

●「未定」や「買い替えるつもりはない」が38%

今回の調査は20〜69歳の計2800名を対象とし、2021年6月にインターネットを使ったアンケート調査をもとにしたものです。なお、当記事では、その調査レポートの中から特に興味深いものをピックアップしています。

調査では、まず、現在自家用車を保有している人に、「次に自家用車を買い替えるとしたら、いつ頃を予定していますか」と質問。その結果は以下の通りです。

1位:「未定/買い替えるつもりはない」 38%
2位:「4〜5年後くらい」 22%
3位:「2〜3年後くらい」 17%

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
自動車の保有意識(J.D.パワー調べ)

買い替え時期を想定している人は、概ね「2〜5年後」が全体の4割となった一方、「未定」もしくは「買い替えない」という人もほぼ同じ割合でいるようです。クルマは高価な買い物だけに、やはり、先行き不透明な現在、できるだけ出費を抑えたい人が多いのでしょうか。

ちなみに、現在保有しているクルマが国産車か輸入車かで分けてみると、総じて輸入車保有者のほうが買い替え予定時期が早い傾向にあることも分かっています。

●若い世代の約4割がクルマ保有に積極的

一方、現在は自家用車を保有していない人に、「将来、自動車を保有したいと思いますか」と質問。

全体では

・「保有したいと思う」 24%
・「保有したいとは思わない」 76%

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
世代別にみた自動車の保有意識(J.D.パワー調べ)

という結果に。今の時点でクルマを持っていない人には、あえて購入しようと思わない人の方が多いようです。

ただし、これを世代別に見ると、「保有したいと思う」割合は若年層(20〜34歳)が最も高く、39%という結果となっています。

クルマ離れが進んでいると言われる若年層ですが、約4割が自家用車保有に積極的な考え方であることも分かっています。これは、密を避ける移動手段としてクルマの存在が見直されている結果なのかもしれませんね。

●クルマは「生活する上で必要」が最多

次に、調査では、「今後、クルマの保有を検討すると思うのはどのような理由ですか」という質問も実施。その結果、トップ5は

1位:「生活する上で必要」 72%
2位:「行動範囲が広がる」 47%
3位:「プライベートな移動空間を持ちたい」 30%
4位:「運転するのが好き」 28%
5位:「クルマで出かける機会が増える・増えそう」 27%

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
世代別のクルマ保有を検討する理由(J.D.パワー調べ)

となっています。なお、こちらの結果も世代別でみた場合、若年層(20〜34歳)では

・「行動範囲が広がる」 53%(対全体+6pt)
・「クルマで出かける機会が増える・増えそう」 45%(対全体+18pt)
・「プライベートな移動空間を持ちたい」 35%(対全体+5pt)
・「公共交通機関の利用を減らしたい」 18%(対全体+7pt)

などが、他の世代よりも高い傾向となっています。また、「ステータスを感じる」と答えた人も15%(対全体+5pt)で、同様に他の年代より高い比率となっています。

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
若い世代でクルマに興味がある人は増えた?

これら結果により、レンタカーやカーシェアなど、クルマを保有しない新しいカーライフの楽しみ方が広がりつつありますが、若い世代でも依然としてマイカーを持つことに価値を感じる人が一定数いることが分かります。

また、「公共交通機関の利用を減らしたい」も他世代より比率が高いことで、若い世代に、密を避けられる移動手段としてクルマを認識している人が多いことも伺えます。

一方、シニア層(60〜69歳)では

・「レンタカーやカーシェアは不便」 24%(対全体+7pt)
・「レンタカーやカーシェアで他人と車を共有することに抵抗がある」 19%(対全体+6pt)
・「運転するのが好き」 31%(対全体+3pt)

が他の世代よりも高い傾向が見られました。シニア層の2割前後がレンタカーやカーシェアに対してネガティブなイメージを持っているようです。

●クルマで密を避け楽しみたい層が多い

さらに、調査では、「クルマの利用方法として、興味があるもの」についても聞いています(複数回答可)。結果は次の通りです。

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
人気のアウトドアでクルマを使いたいユーザーは多い

1位:「アウトドア(トレッキング、デイキャンプ、釣りなど)」 28%
1位:「車内で音楽や映画を楽しむ」 28%
3位:「車中泊の旅行」 22%
4位:「車を利用した電力供給」 13%
5位:「ぺット連れの旅行」 11%
6位:「車内でテレワーク」 4%
6位:「高級車や輸入車など憧れの車のレンタル」 4%

また、これらを世代別にみると、

若年層(20〜34歳)では
1位「音楽や映画」40%、2位「アウトドア」31%、3位「車中泊の旅行」22%

ミドル層(35〜44歳)では
1位「アウトドア」33%、2位「音楽や映画」33%、3位「車中泊の旅行」23%

プレシニア層(45〜59歳)では
1位「アウトドア」「音楽・映画」各24%、3位「車中泊の旅行」21%

シニア層(60〜69歳)では
1位「車中泊の旅行」18%、2位「音楽や映画」16%、3位「車を利用した電力供給」11%

という結果に。

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
車中泊が楽しめる仕様も近年は人気(写真は日産・セレナ マルチベッド)

こうしてみてみると、クルマをプライベート空間として活用する「音楽・映画鑑賞」は、特に若い世代ほど興味が高いようです。

また、コロナ禍で新たな旅の形として人気が高まっている「アウトドア」や「車中泊」は、多くの世代で比率が高い結果となりました。これは、プライベート空間で密を避け、予算も抑えつつ、非日常や旅を楽しみたいというニーズの表れでしょうね。

●買いたいクルマはハイブリット車が1位

調査では、さらに、「次に(将来)自家用車を購入するとしたら、どのようなエンジンタイプを検討すると思いますか」といった質問も行っています。結果は以下の通りです。

1位:「ハイブリット車」 53%
2位:「ガソリン車」 48%
3位:「電気自動車(EV)」 25%
4位:「プラグインハイブリット(PHV)」 18%
5位:「燃料電池/水素車」 12%
6位:「ディーゼル車」 10%

ハイブリット車がガソリン車を上回るという結果から、すっかり国内に定着していることが分かります。最近は、ハイブリッド車とガソリン車の両方を設定している場合、ハイブリッド車の方が販売比率が高いモデルも多いそうですから、今回の結果もそれを裏付けているといえそうです。

コロナ禍のクルマの保有意識や欲しいタイプを調査
トヨタが2022年に世界各地で発売を予定する「bZ4X」など、近年はEVの注目が高い

さらに、EVがなんと3位にランクインしたことも注目です。現状は日本でのEVのマーケットシェアは1%に満たないことを考えると、EVへの関心が高くなっていることが伺えます。

なお、ディーゼル車は燃料電池/水素車を下回り、最も低い結果となりました。少し前までは、環境に配慮したクリーンディーゼルの開発が進み脚光を浴びていましたが、2023年にはクリーンディーゼル車がエコカー減税の対象から外れることなどが影響しているのかもしれませんね。

以上の結果が、すべてコロナ禍の影響だとは言い切れませんが、たとえばクルマの利用方法として音楽・映画の鑑賞、最近流行りのアウトドアや車中泊が注目されていることなどは、やはり何らかの影響があることが伺えます。

また、前述の通り、クルマ離れが進んでいるといわれている若い世代の中には、意外とクルマの所有などに興味がある人も一定数いることも注目です。

オミクロンといった新株の登場などもあり、いつ沈静化するかまだまだ分からないコロナ禍ですが、今後一般ユーザーが持つクルマへの意識がどう変化していくのかも注目です。

(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)