トヨタらしい高い静粛性、乗り心地の良さを披露するカローラ クロスは、クラストップレベルの仕上がり

■走りから見るカローラ クロスのオススメ・グレードは?

トヨタ・カローラ クロスのエンジンは、純ガソリン車もハイブリッド仕様(THS II)も1.8Lで、パワートレーンは基本的にカローラ・シリーズに準じています。

全長4495×全幅1745×全高1460mmのカローラ ツーリングと比べると、カローラ クロスは全長4490×全幅1825×全高1620mmとなり、ワイドで全高もかなり高くなっています。

トヨタ カローラクロス
トヨタ・カローラクロス(ハイブリッド/2WD)の走り

車両重量は、カローラ クロスのハイブリッドが1380kg〜1410kg、純ガソリン車が1330kg〜1350kg。

一方のカローラ ツーリングは、ハイブリッド仕様が1350kg〜1450kg。純ガソリン車(NA)は、1290kg〜1330kg。

ボディサイズの拡大に伴い、車両重量も当然ながら重くなっています。

トヨタ カローラクロス
1.8Lガソリンエンジンを積むハイブリッド仕様。システム最高出力は122PS(90kW)

それでもハイブリッド仕様、純ガソリン車ともにカローラクロスを軽快に走らせる力強さが印象的です。

ハイブリッド車は、モーター走行の速度域が高く、バッテリー残量によっては、ストップ&ゴーの多い街中で、低負荷域なら大半をEVとして走行できます。中低速域は、モーターアシストもあってレスポンスも良好。

トヨタ カローラクロス
仕様により乗り心地は若干異なるが、国産CセグメントSUVの中でも上質な味わい

一方のガソリン車も軽いボディを活かし、軽快な加速フィールを備えていて、高速域の伸び感もまずまず。

トヨタ車らしく、静粛性の高さ、乗り心地の良さも美点で、とくに路面の細かな凹凸のいなし方はお見事。

ハイブリッドは、駆動バッテリーを積むこともあり、路面によってはわずかに左右に揺すぶられるようなシーンもあるものの、乗り心地に適度な重厚感があります。

ガソリンエンジン車も軽い割に、低速域から適度なしっとり感があり、速度域を問わずフラットライドを維持するのには少し驚かされました。

トヨタ カローラクロス
純ガソリンエンジン車(FF)の走行シーン

フットワークは両仕様ともに軽快感があり、しかも素直な回頭性で、背の高さを抱かせないのも魅力。スポーティな味付けではないものの、カローラ クロスのキャラクターにふさわしい乗り味、操縦安定性といえます。

先述した静粛性の高さもとくにハイブリッド仕様は際立っていて、前後席に座る親子で、大声を上げずに会話を楽しみながらドライブできそう。

なお、ハイブリッド仕様のE-Four(4WD)は、リヤサスペンションにダブルウィッシュボーン(ハイブリッドのFFとガソリンエンジン車は、トーションビーム)を搭載していて、よりフラットで最もしっとりした乗り味を堪能できます。

トヨタ カローラクロス
純ガソリンエンジン車は、140PS/170Nmというスペック

筆者が試乗したE-Fourは、唯一の17インチタイヤ(215/60R17)装着車で、18インチで見られた若干のコツコツ感もほとんど抱かせません。

カローラ クロスは、乗り心地の良さ、静粛性の高さは、国産CセグメントSUVでもトップクラスにあり、乗り心地で甲乙付けがたいのは、マツダMX-30 EVモデルあたりでしょうか。

カローラ クロスの人気モデルはやはりハイブリッド仕様であるはずで、ハイブリッドの価格帯は、259万円〜319万9000円。持ち味の乗り味の良さは17インチの方が18インチ仕様を上回る印象ですから、275万円のハイブリッド「S」がベストチョイス。

トヨタ カローラクロス
カローラクロス(ガソリンエンジン/FF)の走行イメージ

また、街乗り中心、非降雪地域にお住まいでFFで必要十分なら、先述したように、純ガソリンエンジン車を選択する手も十分にアリといえます。「S」グレードでも250万円を切る240万円という価格設定も魅力です。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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