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■日本で初めて? ジャパンクロスカントリーラリー開催
12月4日(土)~5日(日)、長野県内で「JCCR(JAPAN CROSS COUNTORY RALLY)」が初めて開催となりました。
過去3度のD1GPチャンピオン(2007年、2008年、2015年)経験を持ち、2017年に初めて開催されたFIA格式のドリフトイベントである「FIA インターコンチネンタル・ドリフティング・カップ」の初代チャンピオンでもある川畑真人選手がこのレースに参戦し、この記念すべき第1回目の優勝者となりました。
●2年前から海外クロスカントリーラリー参戦経験のある川畑選手
川畑選手がクロスカントリーラリーを開始したのは、2019年のこと。「第24回サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2019」に、俳優の哀川翔氏率いる「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」から、トヨタ・ランドクルーザープラドで参戦しています。
この時がクロスカントリーラリー初挑戦でしたが、クラス2位(T1-G=改造クロスカントリー車両ガソリンエンジンクラス)という結果を残しています。
「2年前に、『タイでイベントがあるからやってみようよ』とトーヨータイヤさんから声をかけてもらって参戦をしました。声をかけてもらった当時は、ラリーといったらWRCしかイメージがなかったんですよね。
『ボクにできますかねぇ?』という話をしたら、WRCと違って、速度域も全然違うし、何日間もかけて長距離を移動してやるんだよってことで、単純に楽しそうだし『できるならぜひ!』って感じで、アジアンクロスカントリーラリーに参戦したのがキッカケです」と、川畑選手はこのクロカン競技への参戦の経緯を語ってくれました。
●コロナで海外レースは2年連続中止…。川畑選手、日本で久々のクロカン競技参戦へ
その後、このコロナ禍の影響でアジアンクロスカントリーラリーは2020年大会、2021年大会ともに開催中止となっており、川畑選手にとっては久しぶりのクロカンラリー競技となりました。
「走りについては、コ・ドライバーの深野選手と相談しながらやっています。向きを早く変えて早く全開に踏みたいっていう姿勢づくりはできていると思います。それをうまく活かせたら、タイムアップにもつながるのかなって感じで、毎回探り探りでやっています」(川畑)。
●日本でもクロカンラリーを! ジムニーやハイラックスなどが参加し初のプレ開催
今回のこの大会は、アジアンクロスカントリーが開催されないのなら、日本でクロスカントリーラリーができないだろうか?というところから発案され、実施されました。
今回はプレ大会という位置づけもあり、本格的なクロスカントリーラリー参加者だけでなく、もっとこのようなイベントを楽しむことができるようにと、競技のSS区間とは別にツーリング区間も設けられ、リエゾン(CP区間)、林道ツーリング(CS区間=コンペティティブセクション)、SS(スペシャルステージ))の3つのセクションで構成されました。
レグ1(1日目)はツーリングの一日となり、6つのCS(約64km)が設定されました。CSはコースを閉鎖しない状態での計測区間です。
レグ2(2日目)は、完全封鎖された計8つのSS(7.47km)が設けられ、2日間の総走行距離は280kmを超える設定で、ウエルカムパーティや表彰パーティ、そしてホテルでの宿泊もセットとなっています。
参加車両は、ツーリングクラス(レグ1のみ参加のクラス・今回は参戦無し)と、FIAに準拠した安全装備を備えたFIAクラスという2つの部門に分けられます。
FIAクラスは、ジムニーが参戦するFIA-Jクラスと、ジムニー以外の4WD車のFIA-Tクラスという区分けとなっています。集結した10台は、アジアンクロスカントリー出場車やラリー北海道に出場したハイラックスなども参戦することになりました。
SSでの競技は、SS1~3の上松ステージ、河原を使用した「TOYO TIRES STAGE」、そしてゴルフ場のフェアウェイを豪快に走り回る「FLEX STAGE」と、特色のあるステージとなりました。
そして、この全SSですべて最速を記録し、川畑真人・深野昌之組(#1 FLEX SHOW AIKAWA Racing With TOYOTIRES PRADO)が総合優勝を果たしました。
また、ジムニークラス優勝・総合2位に竹野悟史・柳川直之組(#6 Garage MONCHI JAPIND Jimny)が入りました。総合3位には、同チームのハイラックス(#3 ソーダファクトリー ハイラックス/橘 礼太・高谷嘉洋組)のサポートで参戦したという惣田政樹・橘 涼子組(#4 ソーダファクトリー ランドクルーザー)が入りました。
●川畑はドリフトだけじゃない!ということが証明できて嬉しい♪
優勝した川畑選手は「アジアンクロスカントリーでは優勝できなかったですが、日本で優勝できてよかったです。ドリフトだけじゃなく、ラリーもちょっとできるんだってところで、まずは1勝が欲しかったので。
このJCCRですが、日本でもこういったことができるんだということが驚きでしたし、これから流行るだろうなっていうのは感じてます。家族とか友人同士とかで参加できる、参加型の楽しいイベントでした。自分も来年も参戦したいと思っています」とコメントしています。
次回、2022年11月の第3週週末の開催もすでに予定されているそうです。今回、使用したステージでも、もっと規模を広げた構想もあり、夏の豪雨災害がなければもっと長距離の林道も設定できるのでは? ということで、すでに国土交通省との折衝も動き出しているということです。来年以降も面白いクロスカントリーラリーを見ることができそうですね!
(青山 義明)