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■ロッキーやタントなど注目の売れ筋モデルたち
軽自動車やコンパクトカーを中心に充実のラインアップを揃え、幅広い層から支持を受けているダイハツ。
特に最近は小型車の売上が好調なこともあり、街を走るクルマにもダイハツ車を見かける機会が以前より増えたような気がします。
ここでは、そんなダイハツの数ある機種の中で、登録車と軽自動車それぞれの売れ筋モデルをピックアップし、それらの魅力を紹介します。
なお、ここで紹介するモデルたちのランキングは、登録車が自販連(日本自動車販売協会連合会)、軽自動車については全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が発表した、いずれも2021年度上半期(2021年4月〜9月)の新車販売台数をもとにしています。
●登録車 第1位:ロッキー
まずは登録車。ダイハツ車の中で2021年度上半期(2021年4月〜9月)に最も新車が売れたのは「ロッキー」(8591台)です。
エッジが効いた形状のフロントグリルなどにより、本格的クロスカントリー4WD車のようなオフロード・テイストを盛り込んだコンパクトSUVで、兄弟車にはトヨタ「ライズ」があります。
ロッキーは2021年11月の改良で、ハイブリッドの新システム「e-SMART HYBRID(イースマートハイブリッド)」搭載車が追加されました。
e-SMART HYBRIDは、エンジンで発電し、その電気を使いモーターで駆動するシリーズハイブリッドというシステムを採用。日産のノートやキックスなど、e-POWER車と同様の100%電動駆動式ということですね。
パワートレインには、新開発の1.2Lエンジンと駆動用モーターを搭載、100%モーター駆動によるレスポンスの良い加速性能や高い静粛性に加え、WLTCモード28.0km/Lという優れた燃費性能も実現します。
また、ロッキーのハイブリッド車には、アクセルペダルの踏み戻しだけで加減速が行える走行モード「スマートペダル(S-PDL)も新採用。渋滞時やカーブ、アップダウンの多い道路など、頻繁に加減速が必要なシーンでブレーキペダルとの踏み替えが不要になり、ドライバーの負担軽減に貢献します。
つまり、日産のe-Power搭載車の「e-Powerドライブ」、通称「ワンペダル操作」とよく似た機構ということですね。最近は、たとえばトヨタのハイブリッド専用モデル「アクア」も「快感ペダル」と呼ばれる同様の機構を搭載。徐々に採用車種が増えてきたシステムといえます。
さらに新型1.2Lエンジンは、2WD(FF)のガソリン車にも搭載。高い燃費性能とともに、低回転時のエンジントルクを高めたことにより、力強くスムーズな加速を実現し、日常使いに最適な仕様となっています。
ちなみに、1.2Lエンジンの最高出力は、ハイブリッド車が82ps、ガソリン車が87psを発揮します。
さらに、従来からある1.0Lターボエンジン(最高出力98ps)も4WD車に継続採用。ハイブリッドと合わせて3つのパワートレーンを揃えることで、より幅広いニーズに対応しています。
ロッキーの価格(税込)は、166万7000円〜234万7000円です。
●登録車 第2位:トール
ダイハツ登録車の第2位となったのは、2021年度上半期に5792台を販売した「トール」です。
背が高いトールワゴンというジャンルに属し、スライドドアの採用などでファミリー層を中心に人気が高いモデルで、兄弟車にはトヨタ「ルーミー」やスバル「ジャスティ」があります。
トールは、2020年9月のモデルチェンジで、外観デザイン変更や内装の質感向上などを実施。ラインアップには、親しみやすいフォルムの標準グレードと、高級感あるフロントグリルなどを採用したカスタムがあります。
また、「タフト」から採用した新型ステレオカメラを搭載することで、予防安全機能「スマートアシスト」も進化。衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能を、夜間歩行者検知、追従二輪車検知に対応させるなど、より安全装備が充実しています。
トールの大きな魅力は、長さ2180mm×幅1480mm×高さ1355mmという広い室内サイズ。特に、後席は大人でも余裕の足元スペースを確保します。
また、シートアレンジが豊富で、後席はリクライニングすれば大人でもゆったり橫になることが可能です。さらに、240mmものスライド量があり、荷室は後席を最も前に移動することで奥行きを最大740mmに変更できるため、5名乗車時でも機内持ち込み用スーツケース4個の積載が可能です。
加えて、後部ドアには、運転席側と助手席側の両方が電動で開く「パワースライドドア」を採用(Xグレードは助手席側のみ)。電子カードキーを携帯していれば、ドアハンドルのスイッチを押すだけでドアの施錠や解錠ができる「ワンタッチオープン機構」や「予約ロック機能」を備える(助手席側は全グレード標準装備)など、使い勝手の良さも自慢です。
エンジンは、1.0Lガソリンと1.0Lターボという2タイプを設定し、2WD(FF)と4WDを用意。WLTCモードで16.8〜18.4km/Lという優れた燃費性能も誇ります。
トールの価格(税込)は155万6500円〜209万円です。
●軽自動車 第1位:タント
次は、軽自動車の人気モデル。まずは、2021年度上半期に新車が4万7933台最も売れた(4万7933台)のは「タント」です。
タントは、全高1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンの先駆け的なモデルです。大きな魅力は、長さ2060-2180mm×幅1350mm×高さ1370mmという、軽自動車とは思えない広々とした車内。大人4名でもゆったりと座れるスペースや高い天井などにより、子育て世代などファミリー層を中心に大きな人気を誇ります。
特に前席は、運転席で540mm、助手席で380mmのロングスライドが可能ことも注目点。車内移動の自由度が高く、運転席や助手席から、後席に座っている子どもや置いている荷物へのアクセスが楽にできます。
加えて、両側パワースライドドアと助手席側をピラーレスにした「ミラクルオープンドア」も装備。小さな子どもや高齢者でも、乗り降りしやすい工夫も自慢です。
エンジンは658cc・直列3気筒ガソリンで、自然吸気(52ps)とターボ(64ps)を設定。駆動方式に2WD(FF)と4WDを用意し、WLTCモード燃費値は18.8〜21km/Lを誇ります。
ラインアップには、丸味があるフレンドリーな顔付きのスタンダードと、厚みを持たせたメリハリあるフロントフェイスを採用したカスタムがあります。
価格(税込)は124万3000円〜202万4000円です。
●軽自動車 第2位:ムーヴ
お次は、軽トールワゴンの「ムーヴ」。全高1600mm以上で1700mmを超えない軽トールワゴンで、2021年度上半期の新車販売台数は4万5916台。同ジャンルの中では、最も売れているモデルです。
ムーヴは、初代モデルの登場が1995年ですから、息が長いモデルです。2014年に発売された現行モデルは、軽量高剛性ボディ骨格構造や足まわりの改良などにより、運転のしやすさを向上しています。
エンジンには658cc・3気筒の自然吸気(52ps)とターボ(64ps)を用意し、2WD(FF)と4WDを設定。燃費性能はWLTCモードで18.8〜20.7km/Lを誇ります。ラインアップには、ベースモデルのムーヴと、より質感が高いエクステリアデザインを採用したカスタムがあります。
ムーヴの大きな魅力も、やはり広い室内でしょう。サイズは、長さ2080mm×幅1320mm×高さ1280mmで、こちらも大人4名がゆったり乗れるスペースを実現します。
特に、後席は左右分割式で、リクライニングや前倒しも可能など、豊富なシートアレンジを実現。タントと同じく、子育て世代などのファミリー層に大きな支持を受けています。
ちなみに、ムーヴの後席ドアは、軽スーパーハイトワゴンのようなスライドドアではなく、通常の開閉方式。ですが、前後ドアは、いずれも約90度まで開くことで、乗り降りや大きな荷物のつみ降ろしがとてもスムーズにできます。さらに2段階で開くため、駐車場などで、子どもが勢いよくドアを開けた場合でも、隣のクルマにドアを当ててしまうことを防ぐ効果があります。
ムーヴについても、ファミリーユースを意識したさまざまな装備を持つことが、大きな特徴だといえるでしょう。
価格(税込)は113万5200円〜178万2000円です。
●軽自動車 第3位:ミライース/ミラトコット
ダイハツ軽自動車の売れ筋で第3位となったのは、軽セダンの「ミライース」とその派生機種「ミラトコット」を擁するミラ・シリーズ。2021年度上半期の新車販売台数は2万9980台を記録しています。
ミライースは、燃費の良さと100万円を切るグレードもあるなど、リーズナブルな価格が魅力の5ドアハッチバック車。2017年に登場した現行モデルは、量高剛性ボディ「Dモノコック」を採用することで、従来型比最大80kgの軽量化を実現。燃費性能の向上や軽快な走りに貢献します。
パワートレインには、658ccの3気筒ガソリンエンジンを搭載し、2WD(FF)と4WDを設定。WLTCモード燃費値は23.2〜25.0km/Lです。
室内は、体格に合った姿勢に調整できる運転席シートリフターやチルトステアリングなどの採用で、ゆったり運転できる前席を実現。前後乗員距離910mmとすることで、大人でもゆったりと座れる後席スペースも確保しています。
2021年10月には、初代誕生から10周年を記念した特別仕様車「L“SAⅢ 10thアニバーサリーエディション”」も登場。人気グレードの「L“SAⅢ”」に、リーフ型の10周年記念エンブレムをバックドアに施したほか、純正ナビ装着用アップグレードパック、リバース連動リヤワイパーなどを装備しながら、お買い得感の高い価格設定(97万5700円〜110万円)が魅力です。
ミライースの価格(税込)は、86万200円〜137万2800円です。
一方、ミライースをベースに、運転に不慣れなエントリーユーザーや女性をメインターゲットに開発されたのがミラトコット。
愛着がわくフェイスデザインを採用、角が取れたスクエアな車体などで、見切りがとてもよく、運転のしやすさが抜群のモデルです。
室内は、室内高をミライースより30mm高い1270mmとし、ゆとりあるヘッドクリアランスを実現。シートには、表皮に濃淡を織り交ぜた糸を使ったファブリックを使用し、暖か味も演出します。
また、シートの背もたれ部は明るいベージュ、座面は茶色を配色した2色のコンビネーションカラーを採用することで、ファッショナブルな印象を持たせると共に、汚れが目立たないことにも配慮しています。
パワートレインは、ミライースと同様にガソリンエンジンのみで、2WD(FF)と4WDを設定。WLTCモード燃費値は21.5〜22.6km/Lです。
ミラトコットはボディカラーが全12色から選べるのも魅力のひとつ。特に、ルーフ部にキャンバス地調のアイボリーを採用したツートーンは、とってもファッショナブルな仕様です。
価格(税込)は116万2700円〜138万6000円です。
(文:平塚直樹)