EVモードで約50km走行可能なベントレー・ベンテイガ ハイブリッドがデリバリー開始

■ラグジュアリーSUVで唯一のPHEV

ちょうど1年前の2020年11月、英国のラグジュアリーカーブランドのベントレーモーターズは、次の100年に向けて組織全体として二酸化炭素の排出量をゼロにする、カーボンニュートラルの達成を目標に掲げた「ビヨンド100」と呼ばれる事業戦略を発表しました。

ベンテイガハイブリッド外観08
ベントレージャパン代表の牛尾裕幸氏とベンテイガハイブリッド

「ビヨンド100」の具体的な目標として、2030年までにエンドツーエンドにおけるカーボンニュートラルの達成、クルー工場でのクライメントポジティブの実現をはじめ2030年までに全ラインアップをBEVに移行、2026年までに全ラインアップをPHEVとBEVに移行、そして2021年にPHEV2モデル発表予定を発表しました。

ベントレーのPHEV第1弾として2021年1月にベンテイガハイブリッドを発表し、11月からデリバリーが開始されます。

このベンテイガハイブリッドのデリバリーが始まるタイミングで発表会が開催されました。

ベンテイガハイブリッド外観12
100年前の1921年に登場したベントレー3リッター

発表会の会場には、ワクイミュージアム所有のベントレー3リッターを展示。このモデルは100年前の1921年9月21日に発売された、ベントレーのレジェンドモデルで、ベントレーの100年の歩みを見つめてきた生き証人です。

ラグジュアリーSUVのベンテイガは2021年1~9月までのベントレーの販売実績のなかでシェア41%を占めていて、ベントレーブランドのコアモデルとなっています。また、全販売台数は、コロナウイルス感染症で工場生産がストップした2020年比で+44%と好調です。この好調の波を支えているのがベンテイガだと言えます。

デリバリーが始まるベンテイガハイブリッドはV8と同じ2269万円で販売され、見た目の違いはフロントドアに貼られた「HYBRID」のバッジのみとなっています。

ベンテイガハイブリッド内装07
システム合計最高出力449psを発生する3L V6ツインターボ+モーターのPHEVシステム

ベンテイガハイブリッドに搭載されているパワートレインは最高出力340ps・最大トルク450Nmを発生する3L V型6気筒ツインターボエンジンと最高出力128ps・最大トルク350Nmを発生するEモーターを組み合わせたPHEVシステムを採用。

システム合計の最高出力は449ps、最大トルクは700Nmを発生します。

トランスミッションは8速ATが組み合わされ、駆動方式は4WDです。システム用のバッテリーは17.3kWhの容量を持ち、168個のセルで構成されるリチウムイオンバッテリーを採用。

満充電時の航続走行距離は約50km。200Vの普通充電で約2時間45分で満充電となります。

ベンテイガハイブリッド外観06
標準装着は21インチだが、オプションの22インチホイールを装着

V8と比べて、車両重量は+220kgの2690kg。燃料のタンク容量は-10Lの75L。ラゲッジ容量は479Lで-5Lとなっています。

パフォーマンス面では最高速度は254km/h、0-100km/h加速5.5秒を達成。コンバインド走行距離は863kmで、最高速度や加速性能ではV8にリードされていますが、優れた燃費性能を発揮します。

ベンテイガハイブリッド専用の機能が「E・モード」です。

この「E・モード」は運転の状況に応じて、エンジンかモーター、または両方の組み合わせなど最適な選択を行い、航続走行距離を最大化する「ハイブリッドモード」。ベンテイガハイブリッド始動時のモードとなる「EVドライブモード」。このモードはシステム用バッテリーが無くなるまで電気のみで走行するモード。バッテリーが完全に消費するとハイブリッドモードかホールドモードに切り替わります。そして、「ホールドモード」はバッテリーの残量をキープするために、エンジンのみで走行するモードとなっています。

ベンテイガハイブリッド内装01
ベンテイガハイブリッドのリアシート
ベンテイガハイブリッド内装02
ベンテイガハイブリッドのフロントシート

ベンテイガハイブリッドは基本7色に加えて、オプションで57色のボディカラーを用意。メインハイド、セカンダリーハイドと呼ばれる内装色からモノトーン、ツートーンを選ぶことができ、オリジナルのベンテイガハイブリッドを仕立てることもできます。

ベンテイガハイブリッド外観10
アンヴェールの瞬間

ラグジュアリーSUVのパイオニアであるベントレーベンテイガ。クラス唯一のプラグインハイブリッドモデルを追加し、カテゴリーのイノベーターとしてけん引しています。

2022年にはPEHV第二弾となるフライングスパーハイブリッドも導入予定で、ベントレーは着実に電動化、そしてカーボンニュートラルへ向けて歩みを進めています。

(文・写真:萩原 文博

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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