■2025年の実用化を目指す「MAZDA CO-PILOT 2.0」では、高速道路では自動車線変更も盛り込む
2021年10月28日、マツダは高度運転支援技術の「MAZDA CO-PILOT CONCEPT」の技術説明会を開催しました。
「i-ACTIVSENSE」の進化形と位置づけられている「CO-PILOT」は、副操縦士を意味します。もう1人のドライバーが万一に備え(仮想運転技術)控えていることで、あくまでドライバーが主役であり、安心して運転を楽しめるのが狙い、としています。
つまり、SAEによる自動運転レベル3やレベル4を目指す技術とは別モノだそう。とはいえ、市場で普及あるいは必須になるようであれば、自動運転として別途開発・提供していくそう。
もちろん、高度運転支援技術の「MAZDA CO-PILOT CONCEPT」も安全性向上に大きく寄与する技術です。「MAZDA CO-PILOT CONCEPT」は、コア技術として「ドライバー状態検知技術」「CO-PILOT HMI 仮想運転技術」「ドライバー異常時退避技術」の3本柱からなります。
2022年の実用化を目指すという「MAZDA CO-PILOT 1.0」では、ドライバーの異常自動検知や居眠り検知(ドライバーカメラ、いわゆるモニタリングカメラを使用して総合的に検知)のうえ、高速道路では減速停止、車線維持、路肩退避を行います。一般道では、異常自動検知により、減速停止、車線維持を自動で行います。
さらに、ドライバー異常時自動緊急通報が作動し、ハザード、ストップランプ、ホーンによる車外報知がロードマップに盛り込まれています。
2025年を目指す「MAZDA CO-PILOT 2.0」ではさらに「予兆検知」も加わり、高速道路では車線変更(自動)、路肩や非常停止帯退避が盛り込まれ、一般道では退避技術の進化を図ることがロードマップに盛り込まれています。
将来的には、医学的見地も含めたドライバーの予兆検知を目指すとしています(無意識の視線の反応などでドライバーの異常の予兆を検知する)。
「MAZDA CO-PILOT CONCEPT」では、ドライバーの異常時に「迅速に停める」ことを重視。こうした緊急時には、警察庁などからそこが駐車や停止禁止場所であっても道路交通法違反には当たらない、というコンセンサスが得られているそうです。
マツダでは、ドライバーを選ばず、特別な操作が不要、一般道でも作動することを掲げています。ドライバーを常にモニタリングすることで、いざという時に車両が助けるバックアップとして機能するのがポイントです。センサーは、「MAZDA CO-PILOT 1.0」は、ベース車(2022年のラージ商品群)のセンサー仕様で実現することを目指し、「2.0」を目指す技術支援車は、12個のカメラなどが加わるなど、冗長性も盛り込まれています。
2022年のラージ商品群から「1.0」を搭載し、価格は標準装備かオプションかも含めて検討中としています。多くのユーザーが使えるように、適切な価格帯での量産化を目指しているそう。
将来のアップデートについては「1.0の中でのアップデート」「1.0から2.0へのアップデート」など、多様な面から考えたいとしています。
(塚田 勝弘)