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■ロングドライブもラクラクこなす快適な1台は?
軽自動車はこれまで、走行性能より燃費性能が重要視されることが多かったと思います。しかし、2019年に軽自動車は革命と言えるほど進化を遂げて、運転支援システムの充実や走行性能が大幅に向上しています。ここでは、ロングドライブもラクラクこなしてくれる乗り心地の良い最新の軽自動車を5台ピックアップしました。
●スズキ・ハスラー
軽自動車のクロスオーバーモデルとして、スマッシュヒットしたのがスズキ・ハスラーです。2代目となる現行モデルは、軽自動車のビンテージイヤーといえる2019年12月に発表、翌2020年1月より販売開始されました。
ハスラーはスーパーハイトワゴンのスペーシアをベースに、オンオフ問わない高い走行性能が特徴です。特に、軽量・高剛性の新世代プラットフォーム、ハーテクトを採用したうえ、ボディのスポット溶接部に「構造用接着剤」を採用。その結果、ボディ全体の剛性を向上させ、優れた操縦安定性、乗り心地を実現しています。
ハスラーに搭載されているエンジンは、直列3気筒ターボと新開発の直列3気筒自然吸気エンジンの2種類で、マイルドハイブリッドシステムを採用しています。運転支援システムは、間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、6つの機能を採用したスズキセーフティサポートを搭載。さらにターボ車は高速道路での追従走行が可能な全車速での追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロール、車線逸脱抑制機能を搭載しています。ハスラーの車両本体価格は136万5100円~179万800円。(スズキセーフティサポート非装着車を除きます)
■日産・デイズ
軽自動車が大きく進化した!と実感したのが、2019年3月に登場した2代目となる日産・デイズに試乗した時です。現行型デイズは新開発のプラットフォームを採用し、限られたサイズのなかで「広いキャビンスペース」と「広いラゲッジスペース」を両立させています。新開発されたのは、プラットフォームだけでなく、エンジンそしてトランスミッションのCVTも一新しています。
デイズに搭載されているエンジンは、直列3気筒ターボと直列3気筒自然吸気の2種類です。スポーティグレードのハイウェイスターには小型モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたスマートシンプルハイブリッドシステムを組み合わせています。これにより、ブレーキで失われていたエネルギーを再利用できるようになり燃費性能が向上しています。
また、運転支援システムは、日産独自のプロパイロットを軽自動車として初めて搭載。高速道路での追従走行や渋滞走行などでシステムがサポートしてくれるので、ドライバーの負担が大幅に軽減されます。さらに、万が一の時にオペレーターに連絡できる先進事故自動通報システムSOSコール(ヘルプネット)を軽自動車で初めて設定するなど小型車に匹敵する装備の充実度を誇っています。標準車とハイウェイスターという2モデルを用意するデイズの車両本体価格は132万7700円~191万5100円となっています。
■日産・ルークス
2013年に販売開始した先代モデルはデイズルークスという名前でデイズファミリーでしたが、2020年2月に登場した現行モデルはルークスと独立したモデルとなりました。ネーミングが変わりましたが、軽自動車最大クラスの室内空間と両側リアスライドドアを採用した軽スーパーハイトワゴンというコンセプトは変わっていません。
ルークスは先代モデルのコンセプトは引き継ぎましたが、大幅に進化を遂げています。デイズで採用したプラットフォームをルークスも採用し、大人4人がゆったりと過ごせるクラストップレベルの広い室内を実現。特に、リアシートのニールームは795mmもあり、ゆったり座ることができます。また、ラゲッジスペースも室床面の長さが675mmと広いスペースを確保したことで、48Lのスーツケースを同時に4個、積載する広さを確保しました。
ルークスに搭載しているエンジンは、直列3気筒ターボと直列3気筒自然吸気の2種類。スポーティグレードのハイウェイスターには小型モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたスマートシンプルハイブリッドシステムを組み合わることで燃費性能を向上させています。
運転支援システムも軽自動車でトップレベルの充実度を実現。前方を走行する2台前の車両を検知し、急な減速などにより、 自車の回避操作が必要と判断した場合には、警報によってドライバーに注意を促す、「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」を軽自動車として初搭載をはじめ、高速道路でのドライバーの負担を軽減するプロパイロットを装備しています。標準車とハイウェイスターという2モデルを用意するルークスの車両本体価格は141万5700円~213万2900円となっています。
■ホンダ・N-BOX
2011年の販売開始から現在まで常に販売台数上位をキープしているホンダ・N-BOX。2代目となる現行モデルは2017年8月に登場しました。販売台数No.1であり続ける大ヒットモデルのN-BOXはさらなる進化を遂げるために、わずかひと世代でプラットフォームやパワートレインを一新しました。
プラットフォームは、高効率フロアフレーム構造や高張力鋼板の適応拡大に加え、新たな接合技術を導入することで軽量化と高剛性化を両立。パワートレインにおいては、自然吸気エンジンにi-VTECを、ターボエンジンには電動ウェイストゲートを、いずれも軽乗用車で初めて採用しています。
さらに、CVTやサスペンションシステムの高性能化、フロントピラーの極細化による前方視界の向上などさまざまな領域を進化させ、安心感のある走りと低燃費、快適な乗り心地を実現しています。
現行型N-BOXは全グレードに運転支援システムのホンダセンシングを標準装備しました。衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ基本8つの機能に加えて、オートハイビームならびに後方誤発進抑制機能を追加し、安全性を向上させています。また、インテリアは従来のベンチシートに加えて、助手席スーパースライドシートを用意するなど多様なニーズにも応えています。標準車とカスタムという2モデルを用意するN-BOXの車両本体価格は142万8900円~215万2700円です。
■ホンダ・N-ONE
2代目のホンダ・N-ONEは2020年11月に登場しました。見た目は初代モデルとはほとんど見分けがつきませんが、中身は大幅に進化し走行性能も大幅に向上しました。クルマの骨格となるプラットフォームは、N-BOXのモノをベースに構造を刷新。高粘度接着剤によるボディ接合部位の拡大、さらに高強度化に寄与するハイテン材を随所に使用することで、高剛性を実現。走行時の無駄な揺れを抑えてくれます。
また、走行安定性に効果のあるスタビライザーをフロント/リア両方のサスペンションに採用しています。
N-ONEに搭載しているエンジンは、直列3気筒ターボと直列3気筒DOHC VTECの2種類。組み合わされるトランスミッションはCVTを中心にターボ車には6速MTを用意しています。運転支援システムはホンダセンシングを標準装備するなど高い安全性を誇っています。
また、燃料タンクを前席下に収めるホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用し、ミニマルで心地良い室内空間を実現するだけでなく、多彩なシートアレンジも可能です。オリジナル、プレミアム、RSという3モデル用意するN-ONEの車両本体価格は145万4000円~181万8000円となっています。
(文と写真/萩原文博)