■現行クラウンの販売状況とその背景
SUVやミニバンが主流となった国内市場において、発売後3年目にもかかわらずトヨタの代表的高級サルーン「クラウン」のモデルチェンジに関する様々な憶測が飛び交うようになり、同車の今後の方向性に注目が集まっています。
トヨタは、それまで50~60代以上が中心だったクラウンユーザーの年齢層拡大を目的に、2018年6月に発売した現行モデルで外観などを大幅に刷新するとともに、ロイヤル、アスリート、マジェスタの一本化に踏み切りました。
その結果、発売当初は販売台数を伸ばしたものの、翌2019年は約3.6万台(前年比 71.8%)、翌々年が約2.2万台(同61.4%)と販売が伸び悩み、今年9月までの販売台数が約1.7万台と、先代クラウンがモデル末期にもかかわらず年間3万台近くを売り上げていたのに対して低調なことから、何らかの対策が必要な状況となっています。
そんな現行クラウンの販売が伸びない原因として考えられるのが、まず500万円以上にまで引き上げられた車両価格。
先代クラウンは300万円台からラインナップされていましたが、モデルチェンジを機にベンツやBMWなどの輸入車に手が届く価格になったことで、既存ユーザーの買い控えや、輸入車への流出が発生した可能性が挙げられます。
またユーザー層の若返りを狙って、6ライトウインドウを採用した「クーペルック」に改めたことも、クラウン=セダンのイメージからの乖離により、販売台数を落とす結果に繋がったようです。
●次期クラウンは先進のクーペルックに? 「クロス」仕様も登場か
しかしながら各種情報によると、次期クラウンでは現行のクーペルックをさらに進化させたデザインが導入される模様で、薄型LEDヘッドランプや大型ラジエターグリルによるスポーティなフロントマスクを採用するなど、近年のアウディなどにみられる先進的なエクステリアデザインを採用する方向で開発が進んでいるようです。
しかもTNGA「GA-K」プラットフォームを採用したクラウン初の「FFモデル」がベースになるようで、2.5L直4ダイナミックフォースエンジンを搭載するガソリンモデルとHV仕様が設定される模様。
新システムを導入した4WDモデルや、ベースモデルの車高を上げたクロスオーバー仕様も導入される可能性があり、歴代クラウンのイメージから完全に決別を図る考えのよう。
この戦略が吉と出るかどうかは現時点で不明ですが、クラウンの呪縛から解き放たれた世界に通用するデザインが実現すれば、ユーザー層の拡大に繋がる可能性もあります。
2022年末のデビューが噂される次期クラウンですが、今後も同車の動きから目が離せません。
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