コロナワクチン接種後の運転に与える影響を確かめてみた・接種1回目編

■コロナワクチン接種が運転操作にどう影響するか?

世の中がコロナ禍に陥ってから約1年半の時間が過ぎました。

今年2021年春からいまにかけ、コロナワクチンの接種を受けた方も多いことでしょう。全国民の50%が2回接種を完了、東京都の12歳以上のワクチン接種率は、9月16日時点で1回目が69.1%、2回目が56.3%なのだそうです。

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ワクチン接種後の運転操作に何か影響は出てくるのか?

接種後の副反応がいろいろと叫ばれていますが、このたび筆者もワクチンを接種、その後の運転にどんな支障があるのかないのか、体験談をお話します。

●打ったのはモデルナ

筆者が打ったのはモデルナ。たまたま予約できたのがモデルナの集団接種会場だっただけのことです。接種翌日に副反応で動けなくなってもいいようにと、祝日の前日を選び、第1回目のモデルナ接種を受けてきました。

「モデルナ」と聞くたび、「ずいぶん前にダイハツ『ミラ・モデルノ』というクルマがあったな」と軽い気分でいることを心がけて接種を受け、帰りの運転時にさっそく何か起きるかと覚悟したのですが、特に何事もなく、心配は杞憂に終わりました。

しかし翌日に左上腕部…注射針を刺した周囲に痛みを発症、運転にいくらかの支障が出るようになりました。といってもピークは翌々日あたりまでで、これを書いている今は早くも痛みが消えかかっています。

接種翌日から翌々日夕方までの間、運転中に走った痛みといえば次のようなときでした。筆者は右利きなので、利き腕ではない左腕に接種。左利きの右腕接種、そして左ハンドルのクルマをお使いの方はすべてを逆転してお考えください。

1. シートベルト装用時
2. ATレバー操作時(PからDへ)
3. ハンドル操作・左折時
4. ナビ、空調操作時
5. パーキングブレーキ制動時
6. ルームランプ操作

いったん運転席に入り込んだら、出かけてから帰るまでの間、最低1~2回は行う操作ばかりです。

さきに「翌日から左上腕部に痛み発症…」と書き、未接種の注射嫌いのひとが見ればその痛みがまるで深刻なように思われたかもしれませんが、テレビを見るときなど、同じ姿勢でじっとしているときは痛みません。立ち上がる、座りなおしの際の動作で左腕も連動してしまったとき「ああ、注射したんだっけ」と思い出す程度です。

door open
ドア開きや・・・、
riding
乗り込み動作では何事もなし。

クルマに乗ってから降りるまでの間も、常に痛みと隣り合わせでいるわけではありません。ドアを開けて乗り込むまでは平常どおりです。

seat belt
ベルト引き出しで「はうっ!!!」

乗り込んでからシートベルトを引っ張り出しますが、右ハンドル車の場合は上半身をねじって左手で取り出す人が多いでしょう。忘れていた痛みを思い出して「はうっ!」と声が上がるのはこのときが最初ですので気をつけましょう。夜中に首を寝違えたのを忘れ、呼ばれたほうを向いて「はうっ!」となるのとよく似ています。

engine start
エンジン始動時は右腕だけでのキー操作だから痛みは起きない。だからといって調子に乗っていると・・・
at shift
シフト操作で「はうっ!!!」

エンジン始動も問題ありませんが、その流れでシフトレバーを操作するときも痛みが走ります。筆者のクルマはATですが、これはMTでも同じでしょう。いや、MT車のほうが痛みやすいかもしれません。

steering
左折のハンドルまわりで「はうっ!!!」

次にハンドル操作。これは右左折同じように痛むかと思ったのですが、筆者の場合、ハンドルを左回しにする左折時のほうがはっきり痛みました。誰もがそうなのかわからないのですが、ハンドルは右まわしなら右腕を、左まわしなら左腕を、それぞれハンドルを下に押し下げるほうにより力を入れているからです。そのとき反対の腕は回すのを継ぎ足す側ですからそれほどでもありませんが、これはクルマ個々で変わるハンドルの重さで変わってくるでしょう。

parking brake
駐車ブレーキ操作で「はうっ!!!」

筆者のパーキングブレーキは、昔からあるセンターレバータイプ。右ハンドルなら左腕で上げ下げするわけですが、上げるとき(制動)のときだけ痛みが走りました。下げるときだってリリースボタンを押すためにいったん上方向に引くのですから痛くなってもよさそうなものなのですが、実際にはなぜか痛むことはありませんでした。これが足踏み式や、ここ数年で広まりを見せるスイッチによる電動式ならまったく問題ないでしょう。

さて、いざ走り始めるとどうでしょうか。運転中、腕の操作が少なくなる直進走行のときは問題ありません。ほとんど同じ姿勢のままなのですから。

air conditioning
空調操作で「はうっ!!!」
navi
ナビ操作で「はうっ!!!」

ただ、暑い寒いで空調操作をする、オーディオ音量やナビ操作で左腕を上げるや、とたんにまた「はうっ!」となります。

room lamp
ルームランプを点けて「はうっ!!!」

また、めったにしないと思いますが、暗がりで何か調べものをしたり探しものをするのにルームランプを点けようとするとき。これは天井に腕を伸ばすことになるので、これまた「はうっ!」と痛みのリマインド。

平常時はまったく痛みを感じることなく、左腕をちょい動かすだけで痛みに驚かされるなら、むしろじっとしているときから痛んでくれたほうがありがたいように思いました。

そして、痛みの名残さえなくなろうとしてきた今思っているのは、この痛み方は何もコロナワクチンゆえのものではなく、風邪やインフルエンザ予防の注射で経験してきたものと同じだということです。何も記事にするほどではなかったかな…とさえ思っているところです。

ただし、これは筆者の場合のモデルナ注射1回目のお話。ファイザー1回目でもここに書いたものとは別の症状が出る人がいれば、モデルナ2回目接種後こそ数日に渡ってびびるような副反応が現れたと話してくれたひとがおり、やはり薬剤、回数、年齢によってその症状は様々なようです。

何だか今回は実につまらない、読んでも読まなくても同じじゃないかという内容の報告記事になりましたが、どんな症状に陥ろうと、トラック運送やタクシー運転手など、クルマの運転から離れられない業務に就いている人には何かの役に立つだろうと思います。

職業運転手の方、筆者の場合はこのような症状にとどまりましたので、運転に大きな問題はありませんでしたよ。でも接種後に休めるのなら休んだほうがいいと思います。

(文・写真:山口尚志

【関連リンク】

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A「ワクチンを接種した日は、車を運転できますか。」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0042.html