■EVの高電圧システム取り扱い資格を取得したテクニシャンを複数配置
アウディに限らず、欧州の自動車メーカー(ブランド)は、環境規制に対応するため電動化を加速させています。
EUは2035年にもハイブリッドを含むガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車の販売禁止を打ち出しています。各国の電源構成により、「電動化(バッテリーEVやプラグインハイブリッドなど)=エコ」とは言い切れず、却ってCO2排出量が増える予測もありますが、脱炭素化はいまやグリーン戦争ともいわれている状況です。
ハイブリッド大国の日本でも確実に電動化の流れが及んでいます。
そんな中、アウディ ジャパンは、アウディのバッテリーEV「Audi e-tron」シリーズを販売する正規販売店「Audi e-tron」店のネットワークを全国102店舗に拡充すると発表しました。
アウディは、今後日本に「Audi e-tron GT」をはじめとしたEVを導入する予定で、100kW以上の受電可能な「Audi e-tron戦略」を掲げています。全国のアウディ正規販売店125店舗(2021年10月1日現在)のうち、「CHAdeMO」規格の150kW高速充電器を2022年第2四半期から50店舗に順次設置。先述したように、2021年10月1日から「e-tron店」が102店舗に拡充します。
今回のe-tron店舗数の拡充にあたって、アウディ ジャパンは新規のe-tron店50店舗に、CHAdeMO規格150kWの急速充電器を設置。これに伴い、既存のe-tron店の90kW以下のCHAdeMO規格充電器も、2024年6月までに順次150kWに置き換えていく予定としています。
CHAdeMO規格150kWの急速充電器の設置により、現在、主流になっている最速90kWの急速充電器と比較すると充電スピードも約1.66倍になり、充電の待ち時間が減るなど、EVの利便性が向上します。
なお、この約1.66倍という数値は理論値で、実際の充電スピードは、充電器や車両、電池残容量や温度などの多くの要因によって異なります。
Audi e-tron店は、CHAdeMO規格高速充電器の設置に加えて、EVの高電圧システム取り扱い資格を取得した高度な技術を有するテクニシャン(メカニック)を複数名を配置することで、e-tronユーザーに対するアフターサービスの提供を整える構えです。
現在、全国に設置されている公共のCHAdeMO規格の急速充電器は約7900ヵ所、普通充電器は、約2万2200基(いずれもアウディ ジャパン調べ)あり、Audi e-tron店の拡充により、アウディオーナーやEVの充電の利便性がさらに向上するのは間違いないでしょう。
(塚田 勝弘)