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■ヘッドランプが経年で黄ばんでしまう最大の原因は?
愛車のヘッドランプが知らず知らずのうちに白濁したり、黄ばんでしまったという経験はありませんか?
クルマが古ぼけて見える大きな要因にもなるため、何としても避けたいもの。
これはヘッドランプのレンズ(カバー)に「ポリカーボネート」と呼ばれる樹脂素材が使われているため、車両を太陽下に晒し続けていると、太陽光線に含まれる紫外線(UV)の影響を受けて樹脂が劣化するのが原因とされています。
そのため、新車のヘッドランプレンズ表面にはUVカット用のハードコート(コーティング)が施されているのですが、100%カットされる訳ではなく、ハードコート自体も経年劣化するため、レンズの表面層が徐々に白濁・黄変して行くという訳です。
ヘッドランプレンズは照明器具のため、光を透過するクリアな樹脂材が使用されているだけに、黄変すると非常に目立ちますが、徐々に劣化が進むため、意外に気付き難く、かなり進行した時点で変化に気付くことになります。
このように、経年劣化が進んだまま長期間放置しておくと、光量低下により夜間の視界が利かなくなって危険な上に、車検にも通らなくなるため、普段から注意が必要です。
●強い日差しを長期間浴びせないのがレンズ透明度維持の秘訣!
かつてはガラス製だったヘッドランプレンズですが、車両デザインの複雑化にともない、ガラスでは成形が困難となったため、80年代に入ると形状の自由度が高く、成形性に優れるポリカーボネート材が使用されるようになりました。
その第1号は2代目トヨタ ソアラに搭載された小糸製作所製のオール樹脂製ヘッドランプとされています。
ポリカーボネート樹脂はガラス材と同等の透明度を備えており、衝突時に割れ難く、ガラスのように飛散する可能性が少ないことや、軽量化が期待できることから、瞬く間に自動車用ヘッドランプレンズの主流になって今日に至ります。
しかしながら、それと引き換えに上述のとおり、紫外線に対して弱いため、屋外駐車場に長期間駐車する際には駐車方向の工夫やカバーの利用等で、普段から太陽光をできるだけ浴びせないようにするのがレンズの透明感を長く維持するための秘訣となります。
●黄ばんでしまったらどうする?
材質や加工方法が年々進化して耐久性が向上しているヘッドランプですが、日本車の場合、使用環境にも左右されるものの、通常3~5年が透明度を維持できる期間とされています。
ヘッドランプ表面のレンズは外周がシール材でコーキングされているため、基本的に交換不可能で、補給品も設定されていません。こうなると、まず最初に考えるのがヘッドランプ本体の丸ごと交換となりますが、これが非常に高価。
とはいえ諦める必要はありません。実は白濁や黄変しているのはレンズ表面層だけなので、研磨剤で研磨すれば透明感が蘇ります。仕上げにコーティング剤を塗布すればOK。
ヘッドランプクリーナー(研磨剤)やコーティング材など、作業に必要なアイテムがワンセットになった商品がSOFT99や3Mなど、各社から販売されており、DIYで根気良く作業するもよし、自信が無い場合はカーショップのサービスを利用(1万円前後)するとよいでしょう。
白濁や黄変が進んだヘッドランプの透明感が蘇るだけで、改めてクルマへの愛着が増すこと請け合いです。
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