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■レジャーでも大活躍する燃費がいいミニバン
普段の買い物などでたくさんの荷物を積めるだけでなく、多人数乗車ができることで、家族や友人との旅行にもピッタリなミニバン。しかも、燃費がいいモデルであれば、長距離ドライブでもお財布に優しいですから、出先でちょっと豪華な食事ができたり、おみやげにもいいものが買えたりします。
そこでここでは、ファミリー層などに人気が高いミニバンの中でも、特に燃費がいいモデルをランキング形式で紹介。なお、ここでは、一般ユーザーの使用条件に近いといわれているWLTCモード(総合)の数値を参考に紹介します。
●1位 トヨタ・シエンタ(22.8km/L)
栄えある1位を獲得したのは、トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」。全長4260mmのコンパクトなボディながら、6人乗り/7人乗りができる3列シート仕様を設定するほか、車中泊もできる5人乗り2列シート仕様の「ファンベース」なども人気です。
ほかにも、2020年6月には、2列シート車にLEDヘッドライトなどを装備した新グレード「FUNBASE G Cuero(ファンベースクエロ)」も追加。
2021年6月には上級グレードの「G」と「FUNBASE G」に安全機能を充実させた特別仕様車「Safety Edition Ⅱ」も登場しています。
大きな魅力のひとつは、後席側ドアの左右両方が電動で開閉するデュアルパワースライドドアを全グレードに採用すること。ほかにも、ファミリーユースを重視した、使い勝手のいい豊富な装備が大きな支持を受けている要因です。
パワートレインには、1.5L・直列4気筒ガソリン車のほかに、45KWモーターを装備したハイブリッド車も設定。
なかでも、特に燃費がいいグレードは、3列シート車と2列シート車の両方に設定されているハイブリッドの2WD(FF)車。WLTCモード(総合)で22.8km/Lもの高い燃費性能を誇ります。ちなみに、ガソリン車は2WD車が17.0km/L、4WD車は14.0km/Lです。
シエンタの価格(税込)は、181万8500〜258万円です。
●2位 ホンダ・フリード(20.8km/L)
2位に輝いたのは、シエンタのライバル車ともいえるホンダ「フリード」です。
現行モデルの2代目は2016年に登場し、現在のフェイスデザインに変更されています。2021年6月末時点で、シリーズの累計台数が100万台を突破したという、ホンダが誇るコンパクトミニバンです。
ラインアップには、シエンタと同様に、6人乗り/7人乗りができる3列シート仕様の「フリード」と、5人乗り2列シート仕様の「フリード+」を設定。また、SUVルックの「クロスター」も用意します。
こちらも、後席側ドアが左右とも電動で開く両側パワースライドドアを採用(Gホンダセンシングを除く)。
また、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に標準装備するなど、充実の装備が魅力です。
搭載するパワートレインは、1.5Lのガソリン車と同エンジンに22KWモーターを搭載したハイブリッド車も設定。どちらにも2WD(FF)と4WDを設定します。
なかでも、やはりハイブリッド車の燃費は高く、特に3列シート仕様と2列シー仕様の2WD車は、いずれもWLTCモード(総合)で20.8km/Lを達成。燃費性能が比較的落ちる4WD車でも、ハイブリッド車であれば19.8km/Lを誇ります。ちなみに、ガソリン車の燃費は15.6〜17.0km/Lです。
フリードの価格(税込)は199万7600〜304万400円。カスタム仕様車の「モデューロX(295万200〜327万8000円)」もあります。
●3位 ホンダ・オデッセイ(20.2km/L)
上位2モデルはコンパクト系がランクインしましたが、3位に入ったのはホンダのラージサイズミニバン「オデッセイ」です。
全長4855mmの余裕ある車体に、7人乗り/8人乗りが可能で、本革など上質な表皮が魅力の3列シートを備える高級モデルです。
現行モデルは2013年に登場。低い天井による低重心な車体などによる、高い走行安定性が魅力のモデルです。
2020年11月には2度目のマイナーチェンジが行われ、大型グリルを採用したフロントフェイスなど外観を一新。内装も、インストルメントパネルのデザイン変更などで、より上質感を増しています。
そんなオデッセイには、2.4L・4気筒ガソリン車と、2.0Lガソリンエンジンに独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせたハイブリッド車を用意。ハイブリッド車は2WD(FF)のみ、ガソリン車には2WD(FF)と4WDを設定します。
なかでも、燃費がいいのはやはりハイブリッド車です。発電用と走行用の2つのモーターを持つ独自のe:HEVシステムは、市街地など低速域では走行用モーターのみ使うEV走行を用います。
また、速度が上がるとエンジンが発電、より多くの電力を供給しながら走行用モーターで駆動、加速時は発電用モーターも電力を供給するハイブリッドモードになります。さらに、高速クルーズ時など、エンジンの得意領域ではエンジンのみを使ったエンジンモードに切り替わります。
このように、e:HEVは、多くの走行領域でモーターを使った走りを可能とすることで、高い燃費性能を誇るのです。特に、スタンダードグレード「e:HEVアブソルート」の8人乗り仕様はWLTCモード(総合)で20.2km/L、7人乗りでも20.0km/Lを実現。
上級グレードの「e:HEVアブソルート・EX」でも19.8km/Lという優れた燃費性能を誇ります。ちなみに、ガソリン車の燃費は11.6〜12.8km/Lです。
価格(税込)は、358万3000〜458万円。なお、オデッセイは2021年中で生産終了となり、後継モデルも今のところは発表されていません。新車を手に入れられるのは今がチャンスとなりそうです。
●4位 ホンダ・ステップワゴン(20.0km/L)
続いて4位にランクインしたのは、同じくホンダの「ステップワゴン」。1996年の初代モデルから、20年以上続くロングセラーのミドルサイズミニバンです。
現行の5代目モデルは全長4690〜4760mmのボディに、7人乗り/8人乗りができる3列シートを採用。
ラインアップには、シンプルで親しみやすい外観のスタンダード仕様と、迫力あるメッキのフロントグリルなどが特徴の「ステップワゴン スパーダ」を設定します。
また、装備には後席両側に電動で開くパワースライドドアを採用。テールゲートには橫にも縦にも開く「わくわくゲート」を採用するなど、高い実用性が人気のモデルです。
ステップワゴンには、1.5Lの4気筒ガソリン車と、2.0Lガソリンに独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせたハイブリッド車があります。ハイブリッド車は2WD(FF)のみ、ガソリン車には2WD(FF)と4WDの設定があります。
なかでも、高い燃費性能をほこるのは、こちらもハイブリッド車です。
上級グレードの「e:HEVスパーダ」は、WLTCモードで20.0km/Lという好燃費を実現。e:HEVのシステムはオデッセイと同様で、多くの走行領域で走行用モーターを使うことで、優れた燃費性能を誇ります。ちなみに、ガソリン車の燃費は13.0〜13.6km/Lです。
価格(税込)は271万4800〜364万1000円。カスタムスタム仕様車の「モデューロX(359万9200〜409万4200円)」もあります。
●5位 トヨタ・ノア&エスクァイア(19.8km/L)
ステップワゴンと同クラスのミドルサイズミニバン、トヨタの「ノア」と兄弟車の「エスクァイア」が、同じ燃費性能で5位に入りました。
日本の狭い道路事情でも運転しやすいボディサイズに、やはり7人乗り/8人乗りの3列シートを採用。ノアは少し丸みのあるフレンドリーなデザインが特徴、エスクァイアは高級感溢れる外観デザインを採用します。
なお、ノアには全幅1695mmの5ナンバー車と全長4710mmの3ナンバー車を設定。エスクァイアは全幅1695mmの5ナンバー車のみとなっています。
内装は、いずれも多彩なシートアレンジができるのが特徴。特に7人乗り仕様では、サードシートを跳ね上げれば、セカンドシートが810mmもの超ロングスライドでき、リビングのようにくつろげるスペースとなります。
ほかにも、後列をすべてフラットにすると大人2名がゆったり橫になれるリヤフラットソファモードなど、全9通りのアレンジが可能です。
ノアとエスクァイアには、2.0Lの4気筒ガソリン車と、1.8Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車を設定。ハイブリッド車は2WD(FF)のみ、ガソリン車には4WDも用意します。
なかでも、特に燃費がいいのは、ノアの5ナンバー車とエクスァイアのいずれもハイブリッド車で、WLTCモード(総合)19.8km/Lを実現。ガソリン車は、ノアが12.2〜13.6km/L、エクスァイアが12.6〜13.6km/Lです。
ちなみに、ノアとエスクァイアには、もう1台の兄弟車「ヴォクシー」もあり、2.0Lガソリン車と、1.8Lハイブリッド車があるのも同様。やはり、ハイブリッド車の方が燃費がいいのですが、こちらはWLTCモードで19.0km/Lですので、ほんの少しだけ燃費が落ちます。
これは、ヴォクシーには、よりボディが大きい3ナンバー車しか設定がないことが影響しているようですが、兄弟車と同様の高い燃費性能を持つことは同じです。
価格(税込)は、ノアが255万6400〜344万3000円で、エスクァイアは296万3400〜346万600円。
なお、エスクァイアも、2021年12月で生産終了となることが決まっているようですから、新車が買えるのは今のうちということになります。
(文:平塚直樹)