新型トヨタ・アクアの静粛性や乗り心地、実燃費に死角なし。走りの面で唯一気になったのは?

■TNGA化された2代目は、初代から全方位劇的に進化!!

ヤリス クロスを含めたトヨタ・ヤリスが登録車販売台数でトップを快走しています。2021年の1月〜6月の販売台数は、前年同期比247.5%の11万9112台でトップ。ヤリスは「わ」ナンバーもよく見かける一方で、街中ではそれ以外のナンバーを付けたヤリス クロスもよく見かけます。

トヨタ・アクア
新型アクア(Gグレード)の走行シーン

そのヤリスにBセグメントの新型アクアが加わり、登録車販売台数で上位を占めるのは間違いないでしょう。それだけ「TNGA」化された2代目アクアの完成度は高くなっています。

持ち味である静粛性の高さ、乗り心地の良さがさらに磨かれ、ヤリスから採用されたTNGAサスペンションを採用。

トヨタ・アクア
コーナーリングも苦にしないハンドリングも見事

極低速域では少し凹凸を拾う感覚もありますが、基本的にはフラットライドで、Bセグメントモデルの中では十分に上質で快適な走りを享受できます。また、エンジンが始動しても3気筒ならではの振動や音はほとんど伝わってこないのも見どころ。

トヨタ・アクア
新型アクアの走行シーン

アクアといえば燃費重視モデルというイメージが強いと思います。新型は、メーターパネルの燃費計で30km/L前後を常に表示する一方で、1.5Lガソリンエンジン+モーターの「THSII」は、思いのほか力があり、「POWER」モードに入れると山がちな郊外路でも高速道路でも、まさにパワフルな走りを披露。

トヨタ・アクア
「G」グレードは、185/65R15タイヤ&スチールホイールになる

また、新型アクアはEV走行状態が長く続く印象が強く、街中や高速道路でも飛ばさなければモーター走行のスムーズさを享受できます。新開発された「バイポーラ」のニッケル水素電池は、従来型と比べて電池出力性能が+110%に、電池入力性能が+95%になり、電動化車両らしいスムーズで力強い走りと実燃費の良さをもたらすとしていて、実際に走ってみるとそのメリットを十分に享受できます。

初代アクアは、燃費イメージから想像するよりも失礼ながらフットワークの良さも美点でした。新型アクアは、その美点がさらに磨かれていて、高速域のコーナリングでも姿勢は安定していて、ボディの剛性感も含めてシャキッとした乗り味、ハンドリングを堪能できます。

トヨタ・アクア
1.5Lの直列3気筒エンジンを積む

走りの面で少し気になったのは、レーントレーシングアシスト作動時の車線維持時の制御(介入)フィーリング。絶えず助手席に座る自動車教習所の教官にステアリング操作を手出しされているような感覚が拭えませんでした。

静電式センサーでも採用されていて、手を据えているだけで車線を維持されればかえって楽でしょうが、コスト的にもBセグメントモデルに要求するのは酷かもしれません。

とはいえ、こうした些末な点をのぞけば、2代目アクアの完成度はかなり高く、買い替えはもちろん、SUVやミニバンからのダウンサイザーも満足させるはずです。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)

この記事の著者

塚田勝弘

塚田勝弘 近影
1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。クルマ、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。