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■スパウェザー恐るべしっ!
サマーブレイクを終え、再び2021年のF1が動きだしましたね! フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)の残留決定が発表されるなど、シーズン後半が始まったなぁと感じます。
第12戦めの舞台はスパ・フランコルシャン。オールージュ、ラディオンの急勾配と、その先に続く緩い登りのケメルストレートに向かってスロットル全開で飛び込んでいくF1マシンは何度見ても興奮するし、ドライバーのかっこよさが際立つ大好きなグランプリの1つです。
そしてベルギーGPと言えば、スパウェザー! 山間部にあるサーキットのため天候が急激に変化することが特徴で、全長7.004kmと長いことから、一部では雨が降り、別の区間では路面が乾いているというような状況になることも珍しくはありません。
「雨が降ったら面白くなるだろうなぁ」と思っていましたが、まさかここまで翻弄されるとは…。
●セバスチャン・ベッテルに惚れ直した予選
土曜日はフリー走行から雨。予選が始まる頃には雨脚が強くなり、12分遅れてのスタートとなりました。
セッション開始時はウエットタイヤを装着したマシンが多かったのですが、Q1後半、Q2は全車インターミディエイトタイヤでいけるほど天候が回復。しかし再び強い雨が降り出し、Q3は全車ウエットタイヤへ交換しました。
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が「レッドフラッグにするべきだ。雨の量が多すぎだよ」と訴えた矢先、衝撃的な映像が飛び込んできたのです。
Q2でトップタイムを出していたランド・ノリス(マクラーレン)がラディオンで激しくクラッシュ。マシンが破損し、まるでコマのようにクルクル回っている姿に言葉を失いました。
良い走りでポールポジションも期待していただけに残念でしたが、大事にいたらなくて本当に良かったです。モータースポーツは危険と隣り合わせということを改めて認識した出来事でした。
クラッシュ直後、1台のマシンが心配そうに近づいてきました。ベッテルです。ノリスに向かってサムアップすると、ノリスもそれに返答しチームに「彼はOKだ」と連絡したではないですか! 感動しすぎて「セブ〜(涙)」と思わず声を出してしまいました。ベッテルの人間味溢れる優しい所が大好き! 惚れ直しました。
これにより赤旗中断へ。さらに雨と風が強くなったことから中断が長引き、待つこと約40分。ようやくセッションが再開されました。
ドライバーの腕が試された予選を制したのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は3番手でした。そしてこのチャンピオン争いをしている2人の間に入ったのが、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)!
予選後のインタビューでは「何と言っていいか分からない。チームが良い仕事をしてくれてクルマも良くて、自信を持って走ることができたんだ。明日のレース、頑張るよ」と誇らしげにコメントしていました。
なかなか厳しいシーズンが続き、最下位で走る事が多かったウイリアムズが2番手。しかもメルセデスの前ですよ! すごい、すごいよ、ラッセル!! そして、着実にマシンが良くなってきているウイリアムズにも心から拍手を送りたい!
ラッセルが無線で喜びを爆発させていたように、嬉しくて私まで叫びたくなっちゃいました。
●赤旗中断中でも、ドライバー好きにはたまらない!
決勝日は、前日と比べものにならないほどの雨。霧も出ていて、マシンが全く見えません。富士スピードウェイで開催された2007年のF1日本GPを思い出すほどでした。
レコノサンスラップではペレスがタイヤバリアにクラッシュ。それでもセーフティカー先導でフォーメーションラップが行われ、この状況で本当にレースができるのか不安になりましたがドライバーたちの訴えもあり、レースはスタートされないまま赤旗中断になりました。
ここからがとにかく長かった。全く止む気配のない雨の中、約3時間ですよ! 通常だったらレース終わってますからね。
気温は13度。口から白い息がでるほど寒そうな中、現地のファンはその場を離れず待ち続けています。それでも音楽に合わせて踊ったり(みんな同じ踊りを踊っていましたが、何だったのでしょう? 分かる方いますか?笑)、国際映像に映ると最高の笑顔で手を降ったりと、雨さえも楽しんでいる姿に思わず笑ってしまいました。どうか風邪ひきませんように。
とは言え、三度の飯よりドライバー好きの私としては、この時間が貴重だったりします。アルピーヌのガレージでは前戦で素晴らしいチーム力を見せてくれたフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンが仲良く話していたり(スタッフの女性陣はカードゲームをしていましたね)、フェラーリの2人はひたすらスマートフォンとにらめっこ。
ただ座っているだけでかっこいいキミ・ライコネン(アルファロメオ)に、寝顔が可愛すぎたノリス。ラッセルとダニエル・リカルド(マクラーレン)はグランドスタンドに手を振ってサービスしていたのですが、リカルドはウエーブを指示(笑)。うまくできて、ご満悦そうな表情は最高でした!
アルファタウリの2人がとても楽しそう話しているのも、嬉しかったです。ピエール・ガスリーは随分笑っていましたが、一体何の話をしていたのでしょうね。気になる〜!
と、赤旗中断中はドライバーがよく映り、私にとっては至福の時間。一瞬たりとも見逃さないようにとTVにかぶりついて見ていました(笑)。
そして私の待ち時間の遊びといったら、1人アテレコ大会。サイン会などで良い位置をゲットしたい時は、朝一から場所取りしたりしますよね(ライコネンのサインを貰うために6時間待った事もありました)。そこで妹とスタッフの人は何を話しているのかアテレコをしたところ、意外と楽しくて(笑)。今回も深夜に1人で頭の中でアテレコしておりました(ひかないで〜)。ただ見ているだけより時間が過ぎるのが早く感じるので、ぜひお試しあれ!
さてレースはというと、赤旗中断から約3時間後に再開のアナウンスが。でも画面越しで見ても明らかに状況は変わっていない気がするし、「これで本当に大丈夫? ドライバーは安全に走れるの?」と心配になるほどでした。
セーフティカー先導でスタートされるも、3周目で再び赤旗中断に。天候が回復することなく、そのままレース終了となりました。
う〜ん、なんだかモヤモヤしたのは私だけでしょうか。スタートが切られレース成立要件を満たしたと言っても、セーフティカー先導の3周だけだし、なんといってもあの悪天候の中、約3時間も中断する必要はなかったのではないかと思うんです。
ファンやドライバー、スタッフのことを思うともっと早く判断するべきだったのではないのかなと。
ドライバー観察は楽しかったけれど、やっぱりレースが観たいっ!と思ったベルギーGPでした。
(yuri)