■4.0L V8ターボエンジンをフロントに、リヤに高性能モーターとバッテリーを配置
メルセデスAMGは、同ブランド初となるハイパフォーマンス・ハイブリッド「メルセデスAMG GT 63S E PERFORMANCE(GT 63 S E パフォーマンス)」を世界初公開しました。「メルセデスAMG GT 63S E PERFORMANCE」は、F1の技術が投入された量産モデルです。
モーターとバッテリーがリヤアクスルに配置され、フロントには4.0LのV8ターボエンジンを搭載。同エンジンは、最高出力470kW(639ps)・最大トルク900Nmを発揮。モーターとの組み合わせによりシステムの最高出力は620kW(843PS)、システム最大トルクは、じつに1400Nm以上に達します。
0-100km/h加速はわずか2.9秒、0-200km/h加速は10秒以下。最高速度は316km/hに到達するそうです。
また、ベルトドライブ・スターター・ジェネレーターによる補助ユニットへの供給体制も敷かれています。150kW(204ps)のモーターはリヤアクスルに配置され、電子制御式の2速ギヤボックス、電子制御式リミテッドスリップリアディファレンシャルと共にコンパクトな電動ドライブユニットを構成しています。
軽量で高性能なバッテリーは、リヤアクスルの上に配置されています。なお、EVとしての航続距離は12kmと短めですが、日常の買い物や都市部や住宅街を通過する程度であれば対応できます。
高性能バッテリーは自社開発製で、従来の駆動用バッテリーの2倍の出力密度を持ち、ほかの多くのコンポーネントと同様に、F1の技術からインスピレーションを得たそう。
エクステリアデザインは、4ドアクーペのスポーティな伝統が強調され、2ドアの「AMG GT」の意匠をベースにした特徴的なフロントエプロンも目を惹きます。このフロントエプロンは、2ドアのAMG GTのデザインが踏襲され、1つの金型から生み出されたそう。
また、外側に配置されたワイドなエアインテークは、クルマの中心に向かって尖ったデザインになっています。空気の流れは、3つの垂直フィンによってホイールアーチクーラーに向かっていきます。
リヤでは、プラグインチャージのリッドが内蔵されたリヤエプロンと、赤で強調されたモデル名が専用になっています。また、台形のツインエキゾーストテールパイプが採用されています。スポイラーには、ハイブリッドであることを示す「E PERFORMANCE」エンブレムを装着。
このハイブリッドバージョンにも多くのボディカラーと装備が用意されています。4色のマットペイント、5色のメタリック、2種類のノンメタリック仕上げから選ぶことが可能。また、カスタマイズの拡大により、新たに7つのペイントが追加されています。
さらに、新しい「AMGナイトパッケージII」や、「ナイトパッケージ」と「カーボンパッケージ」の組み合わせなどにより、個性的でスポーティな仕様に仕立てることもできます。また、新たに20インチと21インチのアルミホイールが設定され、それぞれ2つのカラーバリエーションを用意。「エクスクルーシブ・エディション」も設定されています。また、最新デバイスや装備も用意されています。
新しいダンピングシステムを備えた「AMG RIDE CONTROL+サスペンション」をはじめ、「AMGセラミックハイパフォーマンスコンポジットブレーキシステム」や、ハイブリッド専用ディスプレイを備えた「MBUX」も標準装備。
この「MBUX」は、AMG専用ディスプレイと組み合わされていて、航続距離、消費電力、モーターの出力とトルク、バッテリーとモーターの温度を表示。マルチメディアディスプレイには、ドライブシステムのパワーフロー、モーターの回転数、出力やトルク、バッテリーの温度などが高精細なグラフィックで表示されます。
リヤシートからもオプションのマルチメディアディスプレイで、エネルギーの流れやモーターのパワーとトルクなどの情報を確認できます。
(塚田 勝弘)