■ワゴンRベースのメカニズムでシンプルさを大切に
スズキ・ワゴンRをベースとしたワゴンRスマイルは、メカニズム的な部分はほぼワゴンRと同一となります。しかし、ワゴンRには用意されるターボエンジンが設定されないなど、異なる部分も…。
この記事では、ワゴンRスマイルに採用されている基本的なメカニズムについて紹介していきましょう。
パワーユニットは657ccの直列3気筒DOHC自然吸気のみです。エンジンの最高出力は49ps/6500rpm、最大トルクは58Nm/5000rpmです。マイルドハイブリッド車はこのエンジンに2.6ps/1500rpm、40Nm/100rpmのISG(モータージェネレーター)が組み合わせられます。
このスペックはワゴンRと完全に同じです。ワゴンRスティングレーには64馬力のターボエンジンが用意されていますが、ワゴンRスマイルにはターボエンジンは設定されていません。
組み合わされるミッションはすべてCVTとなります。基本駆動方式はFFで、プロペラシャフトで後輪に駆動トルクを伝達する4WDも用意されています。
マイルドハイブリッドに使われるISGというのは、一般的なクルマでオルタネーター(発電機)として使われているパーツに、充電器とエンジンスターターの機能をプラスしたものです。
通常の発電機としても動作しますが、減速時は回生ブレーキとして動作することで発電し、そのエネルギーを助手席下に搭載するリチウムイオンバッテリーとエンジンルーム内にある通常の鉛バッテリーに充電します。
発進時から100km/hまではリチウムイオンバッテリーからの電力で走行をアシストします。また、アイドリングストップからの再始動もこのリチウムイオン&ISGを使います。セルモーターを使っての再始動ではないので非常に静かでスムーズなものとなっています。
サスペンションはフロントがストラット、リヤはFFがトーションビームで、4WDはスズキが長きにわたって使っているI.T.L.( アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式と言われるもの。I.T.L.は3リンク式サスペンションの1つのバージョンだと思ってもらえばいいでしょう。
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)関係の装備は、基本部分が標準装備で一部がオプションとなります。
標準装備となるは以下の項目です。
・デュアルカメラブレーキサポート
・誤発進抑制機能
・後退時ブレーキサポート
・後方誤発進抑制機能
・リヤパーキングセンサー
・車線逸脱警報機能
・ふらつき警報機能
・先行車発進お知らせ機能
・ハイビームアシスト
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルホールドコントロール
重要なセンサーであるデュアルカメラが標準で装備されていることから、セーフティプラスパッケージの名で呼ばれる以下のオプションも4万6200円と、比較的リーズナブルな価格で装着可能。高速道道路を走る機会があるなら、ぜひとも装備しておきたいということになります。
ただし、この装備はハイブリッド専用で、ガソリンエンジンモデルには用意されていません。
・アダプティブクルーズコントロール(ACC)[全車速追従機能付]
・標識認識機能[車両進入禁止、はみ出し通行禁止、最高速度、一時停止]
・ヘッドアップディスプレイ[カラー]
・マルチインフォメーションディスプレイ[カラー][エネルギーフローインジケーター/アイドリングストップ時間/エコスコア/瞬間燃費/平均燃費/航続可能距離/平均車速/モーション表示/時計/外気温計/シフトインジケーター/オドメーター/トリップメーター/タコメーターなど]
・ステアリングオーディオスイッチ
(文・写真:諸星 陽一)
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