■クラストップレベルの後席フットスペース、荷室容量も美点
2021年7月にマイナーチェンジを受けたフォルクスワーゲン・アルテオン(5ドアハッチバック)、アルテオンシューティングブレークは、エクステリアデザインの刷新だけでなく、インテリアもリフレッシュされています。
クオリティアップが図られていて、ダッシュパネルのほぼ全体、センターコンソール、ドアトリムなどが見直されています。
デジタル化されたエアコンパネルや静電容量式センサーが備わるステアリング、通信モジュール内蔵の純正インフォテインメントシステムのディスプレイなど、操作性、機能面の向上はもちろん、質実剛健というイメージのある同ブランドにあってもより高級感のある仕立てになっています。
静電容量式センサーが内蔵されたステアリングは、全車標準装備の同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist(トラベルアシスト)」を作動時に、軽く手を握るだけでシステムがステアリングを握っているかどうかを検知。これにより、システムを継続的に作動させて操作性、快適性が向上しています。
なお、「Travel Assist」の前走車の追従性や車線維持機能も秀逸で、高速道路での疲れを大きく軽減してくれるはず。
目を惹くのは、デジタル化されたエアコンパネルで、タッチスライダーを使って直感的に操作できるようになっています。シートヒーターやそのほかの空調設定なども、センターコンソールに設置された新しいディスプレイで調整することができます。
メーターは、フルデジタルメーターである「Digital Cockpit Pro(デジタル コックピット プロ)」を標準装備。ナビ画面も表示できる10.25インチディスプレイは、ステアリングホイールのViewボタンで表示の切り替えが可能です。
また、ダッシュパネル最上部とドアトリムが今回新たにレザレットでカバーされたのをはじめ、デコラティブスティッチが施され、上質なムードを演出しています。ダッシュパネルの上から2層目には、「Elegance」に新しいウッドパネルを、写真の「R-Line」にはアルミニウムパネルを配置。
エアアウトレットは、デザインが見直されてインパネの3層目にまで広がり、3層目に統合。また、全車に標準装備されるアンビエントライトは、最大30色のカラーを選択することができ、インテリアの雰囲気を気分によって変えることができます。さらに、ドアハンドルとレザレットが使われているドアインサートのデザインも刷新されています。
先述した通信モジュール内蔵の純正インフォテインメントシステムは、「Discover Pro(ナビ付の9.2インチディスプレイ) 」が全車に標準装備されます。また、高級オーディオで知られる「Harman Kardon」製の新開発ハイエンドサウンドシステムもオプション設定。
同オーディオは、新型アルテオン、アルテオンシューティングブレーク向けに特別に調整されています。このシステムは、700Wの「16チャネル イーサネット アンプ」を使い合計11台の高性能スピーカーを駆動します。
なお、アルテオン、アルテオンシューティングブレーク共に後席フットスペースは、Dセグメントにふさわしい余裕があり、後席の足元は、Dセグメントの中でも広い最大1016mmを確保。シューティングブレークは、前後席共に頭上空間が広がっています。加えて、5ドアハッチバックの563-1557L、シューティングブレークの565-1632Lという荷室容量もクラストップレベル。
今回のマイナーチェンジにより、高い実用性を備えたラグジュアリーモデルとしての存在感を高めているのは、間違いありません。
(文:塚田 勝弘/写真:小林 和久)