ヤマハの「バレンティーノ・ロッシ」選手、9度の世界王者に輝いた伝説のライダーが引退を表明!

■2輪最高峰レースMotoGPの英雄「バレンティーノ・ロッシ」選手

長いレースキャリアは史上最長の26年!

ヤマハのバレンティーノ・ロッシが引退を表明
引退会見の様子

2輪最高峰レース「MotoGP」で生きる伝説と呼ばれるレーシングライダー、ヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手が2021年シーズンをもってMotoGPライダーを引退することを発表しました。

ロッシ選手は、9度の世界チャンピオンに輝いた偉大なライダーです。中でも、史上最長の26年という長いレースキャリアで、16年もの多くの年月に所属したのがヤマハのワークスチーム。ヤマハでは、この偉大なライダーの引退に対し、感謝のコメントなども発表しました。

●最高峰クラスで16年間ヤマハに所属

ヤマハのバレンティーノ・ロッシが引退を表明
2021年シーズンはヤハマのサテライトチームのペトロナス・ヤマハSRTで参戦

ロッシ選手は現在42歳、1996年にMotoGPの前身、WGP(ロードレース世界選手権)にデビューして以来、2021年シーズンで参戦26年目を迎えた現役最年長のレーシングライダーです。その経歴は華々しく、1997年にはWGP・125ccクラス、1999年にはWGP・250ccクラスでチャンピオンを獲得。2000年からは、最高峰クラスに昇格し、当初はホンダから2スト・500ccマシンで参戦し、参戦2年目の2001年に初の年間チャンピオンに輝きます。

さらに、翌2002年、それまでの2ストロークマシンから主に4ストロークマシンで闘う現在のMotoGPに変わった最初の年に、ホンダの4スト・990ccマシンで最高峰クラス2度目の王座を獲得します。

2004年からは、ヤマハワークスチームに移籍、その後2011〜2012年のドゥカティワークス時代を除く16年間を、前述の通り、ヤマハの4スト・990cc、4スト・800cc、4スト・1000ccといったさまざまなマシンで戦い、4度の世界王座に輝きました。

●MotoGPでもっとも人気が高いライダー

ヤマハによると、ロッシ選手は、これまでヤマハで264戦に出場し、優勝56回、2位46回、3位40回を獲得。また、ヤマハで表彰台に上がった回数は142回で、ヤマハ史上最も成功したライダーであると共に、最も長く活躍したライダーとのことです。

ほかにも、グランプリの全クラスで423戦、最高峰クラスでは363戦(264戦がヤマハでの出走)に出場。全クラスおよび最高峰クラスでの最多出場記録を保持しています。

そして、ヤマハを含め全キャリアで通算115勝し、前述のように9度の世界王者を獲得。これは、マイク・ヘイルウッド選手、カルロ・ウッビアーリ選手といったレジェンドライダーたちに並ぶ歴代2位の記録です。

そして、このような数々の栄光を手にしたロッシ選手は、MotoGPでもっとも人気が高いライダーでもあります。コロナ禍で無観客となる前は、どこの開催サーキットでも、ロッシ選手の定番ゼッケン46と、レーシングスーツやマシンに施される定番カラーの蛍光イエローが入ったグッズやウェアを身に着けたファンが、スタンドを埋め尽くしていました。

ヤマハのバレンティーノ・ロッシが引退を表明
サーキットでのロッシ選手

そんなロッシ選手も、近年は成績が伸びず、2021年にはヤマハワークスから、サテライトチームのペトロナス・ヤマハSRTに移籍。前半の9戦では10位が最高順位、ランキングは17ポイントで19位となっていました。2021年シーズンのMotoGPも、8月8日の第10戦スティリアGP(オーストリア)を含め残り9戦。偉大な選手だけに、有終の美を飾って欲しいものですね。

ちなみに、ヤマハでは、日髙祥博 代表取締役が、自らロッシ選手の引退についてコメントを発表。「ともに築き上げてきたグランプリでのレガシーは大きな誇りです」など、偉大な選手の偉業を称えると共に、「(今までの)素晴らしいパートナーシップに感謝の意を表します」といった謝辞を述べています。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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