■車内には後部座席がなく、バッテリーを隠している可能性も
ポルシェはスポーツクーペ「911」を電動化することを発表していますが、その市販型プロトタイプを、カメラが初めて捉えました。
ポルシェ911のハイブリッドと言えば、2010年3月のジュネーブモーターショーで発表された「911 GT3 Rハイブリッド」を思い出します。
このモデルはロードカーではなく、ウィリアムズが開発した運動エネルギー回生システム「KERS」と4.0リットル水平対向4気筒エンジン+1基の電気モーターを搭載していました。1年後にはデュアルeモーターからより多くのパワーを得るとともに、ニュルブルクリンク24Hでの電動レースカーのため軽量化を実現しました。
ニュルで捉えたプロトタイプは、リアウィンドウに電化を示すイエローステッカーが貼られています。また最新の「911ターボ」と同じフロントエンドが見てとれるほか、サイドシル、エアインテーク、ファットリアフェンダーを装備しています。
バンパーは同じようにみえますが、ディフューザーはそれほどアグレッシブでなく、クワッドではなくツインテールパイプが組み込まれているのも特徴的です。ボディに目に見える充電ポートは確認されていませんが、開発初期段階のため、必ずしもプラグインハイブリッドでないことを意味するわけではないようです。
注目はサイドリアウィンドウとリアウィンドウのプライバシーガラスです。黒く塗りつぶされた車内には後部座席がなく、バッテリーを隠している可能性が高いといいます。
電化される911の市販型では、400ボルトシステムを備えることが濃厚です。同社CEOのオリバー・ブルーメ氏は「非常に高いパワーとパフォーマンス、そして運転能力を備え、歴代最高の911になる」と語っており、期待は高まるばかりです。
また市販型の車名は「911ターボハイブリッド」や「911ターボEハイブリッド」が有力とされており、2023年から2024年の発売が予想されています。