■ミニバンのレベルじゃない悪路走破性
箱型の車体で3列シートの多人数乗車モデル。そんな三菱自動車・デリカD:5は一般的にいえば、ミニバンに分類されるだろう。
でも、デリカに乗る人の多くは、デリカのことをミニバンとは思っていないのではないだろうか。ボクだってそう。デリカは“ミニバンのカタチをしたSUV”だと思っている。
普通のミニバンとはなにが違うか。それは行動範囲だ。悪路走破性はミニバンのレベルなんてものじゃない。
ポイントは路面と車体とのクリアランスと4WDのメカニズム。前者に関しては、最低地上高が185mmと高いだけでなく、アプローチアングル21度、ランプブレークオーバーアングル13.5度、そしてデパーチャーアングル23度とミニバンの範囲を超えている。
それどころか、SUVと呼ばれるクルマのなかにもデリカに満たないクルマだって少なくない。デリカは起伏の険しい道にもガシガシ入っていけるのだ。
●初の標準装備
4WDシステムも一般的なミニバンとはずいぶん違う。4WDセレクターを「LOCK」にすれば、エンジンの力を後輪に振り分ける多板クラッチの締結力が強まり、滑りやすい路面などでも最大の駆動力を発揮する。普通のミニバンはもちろん、今どきのクロスオーバー系SUVの多くの車種の4WDシステムもここまで凝ってはいない。
悪条件になればなるほど、デリカの優位性は高まる。そんなミニバン、デリカ以外にあるだろうか?
「この電動ステップがいいね。感動して何度も動かしちゃった」。
しかしどうやら、彼女がデリカで気に入っているポイントは、卓越した悪路走行性能ではなく、電動ステップらしい。
デリカにはスライドドアの開閉に連動して現れる電動式のステップがついていて、それが乗り降りをサポートしてくれる。実はこのアイテム、ミニバンに標準装備されるのはデリカが初めてだ。
彼女は、ボクが思っている以上に目の付け所が鋭いのかも。(つづく)