■メルセデス・マイバッハ専用のフロントグリルによる堂々たる顔つき
新型Sクラス、Cクラスに続き、新型メルセデス・マイバッハSクラスが、日本でも発表されました。2021年7月1日から先行予約の受付が開始され、デリバリー開始は今年11月以降の予定です。
1921年から高級車として世界中で愛されてきた「マイバッハ」。一時期は独立した高級ブランドとして位置づけられていましたが、現在は「メルセデス・マイバッハSクラス」を名乗ります。
メルセデス・ベンツによる最新技術を備え、ゆったりとくつろげるキャビンに、プレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた高級素材が随所に配されています。
クラシックな3ボックスセダンを基調としたエクステリアは、フロントのショートオーバーハングとリヤのロングオーバーハングという、セダンの伝統的様式に沿ったプロポーションを備えています。
顔つきは、クロームフィンが中央に配されたボンネットやメルセデス・マイバッハ専用のフロントグリルが荘厳な雰囲気を醸し出しています。さらに、縦に走る立体的なトリムが際立ったフロントグリルには、中央上部のクローム部分にブランド名の一部である「MAYBACH」の文字を刻印。
クロームで仕上げられたフロントバンパーのエアインテークは、左右方向のボリュームを強調。また、Cピラーにサイドトリムに溶け込むフレームによって囲まれた固定型クォーターライトと、「マイバッハ」ブランドのエンブレムが配置されています。
足元には、威厳をもたらす20インチの鍛造のディッシュタイプアルミホイールが標準装備され、オプションで21インチの鍛造マルチスポークのアルミホイールが選択できます。
リヤには、ツーピース型のコンビネーションランプを用意。メルセデス・マイバッハSクラスでは、内部にライトが追加され、一部が動的に点灯する機能を付与。また、リヤバンパーとエキゾーストエンドも専用デザインになり、落ち着きと重厚感のあるリヤビューとなっています。
今後、オプション設定される予定のツートーンのボディカラーは、作業がカスタム塗装工場で実施されるため、ボディが通常の生産ラインに戻るまでに最長で1週間かかるそう。
●リヤドアに電動開閉機能を用意
一方のインテリアは、大型有機ELメディアディスプレイと高級素材や精巧なクラフトマンシップが独特で上質なキャビンを印象づけています。
12.3インチのコクピットディスプレイの表示モード「マイバッハ」では、メルセデス・マイバッハのステータスをアピールするブランドカラーのローズゴールドがメーターの周囲と指針に配されています。システム始動時には、コクピットディスプレイとメディアディスプレイに専用のアニメーションが表示されます。
シートは新型Sクラスを踏襲した上で、ダイヤモンドパターンとダブルシームを加え、前席背もたれの背面は上質なウッドパネルとアンビエントライトも備わります。「ファーストクラスパッケージ(4人乗り仕様)」を選択すると、後席を包み込むようにインテリアウッドトリムが配置され、高級感を醸し出しています。
特等席はもちろん後席で、ホイールベースが180mm長くなり、その延長分のすべてが後席スペースの拡大に割かれています。後席左右のエグゼクティブシートは、座面と背もたれを別々に調整することが可能。バックレストのリクライニング角度は、最大43.5度、もっとも起こした角度は19度に設定されています。
さらにリクライニングポジションにすると、着座認識機能により誰も着座していないことを確認すれば、助手席は自動的に前方へ移動します。助手席の背もたれは、改良型のヘッドレストにより、従来よりもさらに前方へ26度倒れるようになり、前方視界が拡大。
また、フットレストを助手席側背面に、レッグレストは左右後席下にそれぞれ配置され、両者を使うと身体のほぼ全体を支える快適なリクライニングポジションが得られます。レッグレストは、調整範囲が従来よりも約50mm拡大され、新たにふくらはぎのリラクゼーション機能も用意されています。4人乗り仕様の「ファーストクラスパッケージ」を選択すれば、後席が左右独立シートとなり、クーリングボックス、格納式テーブルやシャンパングラスも装備されます。
さらに、サスペンションやパワートレインのセッティングを切り替えることが可能な「DINAMIC SELECT」に、新たに「Comfort」モードよりも快適性が重視された「MAYBACH」モードが設定されているのもトピックスです。リヤドアには、電動開閉機能が標準化されています。ホイールベースが延長されたことで、リヤドアも大きく、重くなったものの、後席コンフォートドアを装備することで、傾斜のある路面でも容易に開閉することができます。
「アクティブブラインドスポットアシスト」が「MBUX」に統合され、後方から近づく歩行者を件検知するとドア機能を自動的に停止するなど、開閉時の安全性にも配慮されています。後席コンフォートドアは、ルーフライナーに設置したプッシュスイッチで開閉したり、 車外ドアハンドルのセンサー部に触れて閉めたりするなど、複数の開閉方式に対応。
加えて、前後席の快適な乗り心地を確保するべく「メルセデス・マイバッハ S 580 4MATIC」には、フルアクティブサスペンションの「E-ACTIVEBODY CONTROL」をオプションで選択することが可能。「AIRMATIC」のシステムをベースに、4輪それぞれに48V対応のアクチュエーターが追加されていて、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御することができます。
パワートレーンは2種類が用意されていて、「メルセデス・マイバッハS 580 4MATIC」には、3982ccのV型8気筒ツインターボエンジン「M176」に、48V電気システムと「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」が組み合わされたユニットを用意。エンジン単体の最高出力は503PS(370kW)・最大トルクは700Nmで、ISGにより20PS(15kW)と200Nmを短時間発生することができます。低中負荷域で気筒休止する機構も備えられ、燃費性能にも配慮されています。
「メルセデス・マイバッハS 680 4MATIC」が搭載するのは、メルセデスの最高峰といえる5980ccのV型12気筒ツインターボエンジンの「M279」。最高出力612PS(450kW)・最大トルク900Nmという圧倒的なパワースペックを誇ります。
トランスミッションは、両エンジン共に「9G-TRONIC」で、4輪駆動システムの4MATICの組み合わせにより、必要以上にエンジン回転数を上げることなく快適な走行性能を実現しつつ、前後の駆動力配分を常に最適化することが可能だそうです。
価格は「メルセデス・マイバッハS 580 4MATIC(ISG搭載モデル)」が2648万円。「メルセデス・マイバッハS 680 4MATIC」が3201万円です。
(塚田 勝弘)