新型シビックが世界初公開。良好なパッケージングと前後・サイドの視界を確保

■ヘッドクリアランスは同等レベルで、後席膝まわりは拡大

2021年6月24日、ホンダはミドルサイズ・ハッチバックの新型シビックを世界初公開しました。1972年生まれの初代シビック以来、11代目を数える新型シビック。日本向けはセダンがなくなり、5ドアハッチバックのみとなります。

新型シビック(LXグレード)のスリーサイズは、全長4540×全幅1800×全高1415mmで、ホイールベースは2735mm。

ホンダ・シビック
新型シビックの「LX」グレード

現行型と比べると、全長は30mm長く、ホイールベースも35mm延びています。全幅は1800mmで同値。

新型は、全高が5mm低くなっているものの、前後席の頭上まわりは同等レベルを確保。とくに、後席の頭上はヘッドクリアランスを確保しながらスポイラー部分で50mm低くなったそうで、低く構えたスタイリングを強調しています。

ホンダ・シビック
ボディカラーは「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」

フロントオーバーハングは15mm長くなる一方、リヤオーバーハングは20mm短くなり、踏ん張り感が強くなるのと同時に、全長の延長と全高を下げたことで、ロング&ローといえる伸びやかなスタイルになっています。

ルーフラインは、後方になるほどより滑らかに下降し、よりクーペルックになった印象を受けます。さらに、Aピラーが50mm後退したことで、ホンダらしい良好な視界を確保。

ホンダ・シビック
ボディの骨格やパッケージングが見直された新型シビック

同時に、フロントフードの左右後端が25mm低くなり、低く構えたフードだけでなく、視界の良さにも貢献しています。

前方の水平視野角は87度もあり、ライバルの日本車、輸入車を含めてトップとなるワイドな視界を実現。斜め後方の視界もよくなっていて、リヤクォーターガラスの追加、水平方向の広がりを感じさせるガラスエリアにより、後方視界を広げています。

さらに、サイドのベルトライン(サイドウインドウ下端のライン)を下げる(後席のショルダーラインが35mm低くなっている)ことで、タイヤの存在感を強調するなど、骨格の低さとボリューム感の演出に成功しています。

ホンダ・シビック
新型シビックのインパネ

また、テールゲートのヒンジレイアウトが見直され、より後方&外側にヒンジが配置されたことで、開口部が拡大されています。

このように、新型シビックは細部まで見直されたパッケージングと全長の延長により、後席の膝まわりは35mm広くなっています。前後席に座ってみると、かなり低い位置に座らせる印象で、足元の余裕は十分です。

ラゲッジスペースは荷室容量(VDA)の数値は明らかにされてないものの、床上・床下合わせて現行以上とのこと。25インチスーツケースが3つ、もしくは、9.5インチゴルフバッグが3セット積載できるそうです。

ホンダ・シビック
膝まわりが広くなったリヤシート

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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