270度クランクのストリートファイター・ヤマハMT-07が上級指向のマイナーチェンジ

平成32年排出ガス規制適合がトピックス。ヘッドランプなどを一新した次世代スタイリングに進化

いわゆるストリートファイター系に分類されるヤマハ発動機のロードスポーツモデル「MT-07 ABS」が2021年7月28日にマイナーチェンジを実施します。

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スタイリング全体のイメージはフルモデルチェンジした兄貴分のMT-09にも通じる新世代テイストだ

大きな進化ポイントは、エンジン、ライディングポジション、灯火類、スタイリングの4点。

中でも、平成32年排出ガス規制適合に対応したクロスプレーンコンセプトの2気筒エンジンが注目です。単純に排ガス規制をクリアしただけでなく、よりレスポンシブでトルクフルなキャラクターに進化させています。

そうした美点を引き出すべく、アップライトなライディングポジションを目指しています。タンクカバー形状の最適化によるニーグリップのしやすさ、12mm高く、そして32mm幅広くしたアルミ製テーパーハンドルの採用は、ゆったりとしたポジションを実現しています。

次世代MTシリーズとして進化したスタイリングでは、ハイロー一体型のバイファンクションLEDヘッドランプや、左右独立したLEDポジションランプが新しい表情を作っています。フラッシャーランプもLEDとなるなど、徹底した未来感の演出があります。

つまり、定評のある軽快な操作性を高めながら、個性的なスタイルを磨き、そして車格を超えた上質感を実現したというわけです。

それでいて、メーカー希望小売価格が814,000円というのは、なんともコスパに優れたモデルという印象ではないでしょうか。エンジン排気量は688ccですから、大型二輪免許が必要なミドル級モデルとなりますが、十分に軽二輪クラスと比較できる価格なのです。

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クロスプレーンコンセプトに基づいた688cc 2気筒エンジン。最高出力は54kW(73PS)、最大トルクは67Nmとなる

エンジンについては、排気側バルブシートの耐摩耗性向上など細かい進化を遂げていますが、ユーザーのベネフィットとなるのは、排気サウンドの作り込みでしょう。燃焼トルクを感じさせるパルス感のあるエキゾーストノートを実現するために、音響解析までも行なったというこだわりの逸品となっています。

スタイリングの肝となるバイファンクションのLEDヘッドランプですが、ロービームについては照射エリアとエリア外の明暗差を少なくしたというのがニュースのひとつ。夜間の視認性アップにもつながる新型ヘッドランプというわけです。

さらにヘッドランプを挟むように左右独立で配されたポジションランプはヤマハのYの字をモチーフとしたものになりました。これは新世代MTシリーズに共通するシンボリックなアイテムということです。

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LCDマルチファンクションメーターも新デザインに進化した

スタイリングでは、空気の流れを可視化したかのようなテイストもMT-07のこだわり。フレッシュエアを取り込むようなタンクカバーと、ギュッと絞ったシートエリアのコントラストはストリートファイターらしいアクティブさを感じさせるものです。

車両重量は184kg、シート高は805mmという大型二輪としてはフレンドリーなディメンションも魅力的なMT-07 ABS。フロントディスクブレーキの大型化、リヤブレーキは兄貴分であるMT-09と同等品にするなど、曲がる・止まる・走るとすべての要素でバランスよく進化しています。

なお、ボディカラーはパステルダークグレー、ディープパープリッシュブルーメタリックC、マットダークグレーメタリック6という3色の設定となっています。

山本晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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