■フロントモーターによる最高出力は85kW(116PS)から100kW(136PS)に向上
ルノーと共同開発された、次世代の上級小型車向けプラットフォームである「CMF-B」を使って仕立てられた新型の日産ノート。第2世代のe-POWERとの組み合わせにより、より上質な電動駆動ドライブを堪能できます。
エンジンの始動頻度が減ったほか、街中から高速道路までスムーズな加速フィール、高い静粛性が際立っていて、先代同様にノートの美点である広い後席により大人4人でも快適な移動が楽しめます。
こうしたベースの高さを活かし、上質な内外装、ボディのワイド化と出力向上が図られたe-POWERと、次世代電動4WDを備えた日産ノート・オーラです。
フロントサイドウインドウのドアラミネートガラス化など、遮音技術がさらに盛り込まれた静粛性の向上なども盛り込まれています。
新型ノート・オーラのボディサイズは、全長4045×全幅1735×全高1735mmで、ベースのノートよりも40mmワイドになり、3ナンバーサイズ化されています。ワイドボディによりデザインの自由度が高まったのをはじめ、操縦安定性の向上も期待されます。
なお、オーラのトレッドは、前後ともに1510mmで、ベース車のノートは前後ともに1490mm。
最新世代のe-POWERは、フロントモーターによる最高出力が85kW(116PS)から100kW(136PS)に18%向上し、最大トルクも280Nmから300PSに7%増強されています。4WDのリヤモーターは、50kW(68PS)で、新型オーラもベースのノートも同値。
パワーとトルクの向上は、発進時から中間加速でとくに顕著という印象で、発進時からグイと前に力強く加速する感覚は、まさにEVそのもの。EVならではの力感が、オーラではさらに増しています。
2WDと4WDを設定するオーラは、次世代4WDが採用されていて、発進と加速時は4輪が駆動し、ウエット路面や雪上などの滑りやすい路面でもコントロール性がさらに高まっているようです。
減速時も4輪の減速力が高精度で制御されることで、滑りやすい路面でも安心して、回生と制動力が得られるとしています。
また、4WDの利点を活かし、前後トルク配分を自在に変えることで、滑りやすい路面でも安定したコーナリングが可能としています。テストコースでの試乗では、パイロンを加速、減速しながら縫うように走るコースもありましたが、2WDと4WDを比べると、後者の方が安定性がある上に、回頭性も高く感じられたのが印象的。
また、ブレーキング時にフロントが沈み込むノーズダイブという姿勢が4WDの方が抑制されているのも確認できました。4WDは、リヤモーターでも回生を行い、減速時のノーズダイブなどの動きを抑え、さらに17インチタイヤとの組み合わせにより、コーナーリングの安定性が高まっています。
ドライブモードをBレンジにして「ECO」と「SPORT」モードにすると、最大0.2Gの減速力が得られます。山道など状況に応じてBレンジも使いこなすと、よりスムーズな減速感が得られます。
デフォルトのモードは「ECO」で、同モードでも発進、加速性能に不満を抱くことはなく、街中のストップ&ゴーでも十分スムーズに走行できそう。4WD車で「SPORT」モードにすると、もっとも高い加速力が得られる設定になっていますから、動力性能も重視する人は、4WDがおススメ。
ほかにも、オーラには、先述のサイドウインドウ(フロント)のラミネートガラス化に加えて、天井の遮音向上も図られていて、静かなノートがさらに高い静粛性を得ています。
上質なエクステリア、インテリア、速くて静かなノート・オーラは、ノート「AUTECH」とともに、より大人の上質感を求める人に最適な最上級グレードになっています。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)