■未来っぽい
BMW i8がデビューしたのは2013年のこと。その頃は今ほどEV(電気自動車)やプラグインハイブリッドカーがもてはやされていなかったけれど、BMWは先進性をアピールする象徴的な存在としてi8を開発した。
アルミのフレームにカーボンのボディを載せる車体構造で、1.5Lの3気筒ターボエンジンと高出力モーターを組み合わせた高効率のパワーユニットもスーパーカーとしては異例だ。
「なんか未来っぽい」
そんな彼女の言葉が、i8のキャラクターをよく表していると思う。モーターによる走行感覚もあるけれど、それ以前として“未来カー”を具現化したような先進的なデザインとか、まるでSF映画のようなシステム起動時の音の演出とか、乗る人に“新しい世界”を感じさせる雰囲気が注がれている。
そういった演出が、このクルマでの移動を「ワクワク・ドキドキ」に彩ってくれるのは間違いない。
●人工サウンド
音と言えば、走行音もちょっと面白い。まるでV8のような、少しドロドロした排気音を奏でるのだ。1.5Lの3気筒エンジンなのにちょっと信じられない。
でも実は、その音は人工的に作られたもの。エンジン回転数に連動した音質が変化するサウンドを、スピーカーを通じて車内外に流しているのだ。
いま、合成した音をスピーカーから車内に流すクルマは珍しくない。しかし、車外にまで流すのはボクの知っている限りi8だけだ。その音にまったく違和感がないのも、また不思議なんだけど。(つづく)