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■元カレの影響でクルマにハマった「藤トモ」こと藤島知子サン
さまざまなクルマ好きの方々に、ご自身の愛車についてうかがう「貴方の愛車ナンですCar!?」。第2回目にご登場いただくのは、初回を飾った飯田裕子さん(愛車はポルシェ・ボクスター)からご紹介いただいた、これまた引っ張りだこのモータージャーナリスト、藤島知子さんです!
●ランドセル背負ってサフェーサー塗ってるとこを見る小学生だった
クリッカー(以下/クリ):「藤トモさん、こんにちは。突然ですが貴方の愛車について教えてください!」
藤トモ(以下/トモ):「こんにちは〜」
クリ:「いまの愛車は黄色いアウディS1ですよね」
トモ:「はい、その他に、アストン・マーティンのDB9です」
クリ:「えー! こういう業界とは言え、そんな特別感あふれるクルマ持ってる人、周りにはいなかったです」
トモ:「たまたま、お知り合いが手放されるというお話があって、愛車にしちゃいました」
クリ:「相当にクルマ好き、それも運転好きなのがわかる組み合わせですね。いつ頃からそんなクルマ好きになっていったんですか?」
トモ:「子供の頃から父が日々運転する人で、すごく興味があったんですよ。群馬出身の父の実家にクルマで連れて行ってもらったり、そのうちミニバンというかワンボックスのバネットが我が家にやってきてから、伊豆へ車中泊で海水浴に行ったりして、さらにクルマってこんなに楽しいんだという経験があるんです」
クリ:「それがクルマへの興味の始まりですかね?」
トモ:「でも、私はそもそもクルマに興味があったみたいで、小学校の通学路に板金屋さんがあったんですけど、ランドセル背負って寄り道してたんですよ」
クリ:「それは女の子にしては珍しい……」
トモ:「板金屋のおじちゃんが優しくて、今日は珍しいキャンピングカーがあるよとか、サフェーサー塗ってるところを見せてくれたり、興味深く見てましたね」
クリ:「そこからずーっとクルマ好きになったんですか?」
トモ:「けど中学、高校では運動部、新体操やダンス部に入っていたのでクルマとは少し遠ざかってたんですよね」
クリ:「運動神経は良かったんですね」
トモ:「ジャンルに寄りますかね。リズミカルなものは好きでしたね」
クリ:「それで、またクルマが気になりだしたのは?」
トモ:「短大時代にお付き合いしてたカレがクルマに乗ってたんです。私はまだそのころ免許を持ってなかったんですけど、そのカレにドライブ行こう、行こうって私のほうが無理やり引っ張り出すような感じだったんですよ」
クリ:「そこからまたクルマ愛が復活してきたんだ」
●カレの助手席専門だった青春時代
トモ:「女の子がクルマを好きっていう場合、形が好きとかただ色が好きとかあるかと思うんですよ。私の場合、その頃キャルルックとかムーンアイズとか全盛期で西海岸風のカスタムカーも好きだったんです。カレの持ってる雑誌を読んで学んでました」
クリ:「どんな雑誌を読んでたんですか?」
トモ:「その頃はCalとかLightningでしたかね。走り系のクルマが好きになったらoptionとかも読んでましたよ」
クリ:「意外ですね。いわゆる一般自動車専門誌じゃないんだ」
トモ:「そうですね。そのカレのクルマはシボレーだったんですけど、アメ車が集まるというので週末に大黒パーキングに行ったりとか楽しんだりもしてましたね」
クリ:「でも免許は持ってなかった、と」
トモ:「そうです。やっぱりクルマは横に乗せてもらうもの、という感覚でしたね」
クリ:「そりゃ〜、カワイ子ちゃんだったら誰でも横に乗せたいもんですからね。で、免許を取るきっかけは?」
トモ:「よく一緒に遊ぶ女友達がいて、その子とクルマで遊びに行くときは私の家まで迎えに来てくれてたんですよ。あれっ? なんでクルマ好きの私が免許持って運転してないんだろうって思ったんですよ」
クリ:「それはいくつのとき?」
トモ:「24歳くらいでしたね。けど、行くとなったらトコトンで、アルバイトをしながら、坂道で逆行しながらMTで取りました。教習所は2週間で終わらせました」
●FD(RX-7)が欲しくてMT免許を取得
クリ:「当時既にAT限定が普通だったんですね。なんかMTを取る理由があったんですか?」
トモ:「MT免許を取ったらRX-7の最終型、FDがどうしても欲しかったんです。それもマニュアルで」
クリ:「それですぐ買ったんですか?」
トモ:「最初は知人からオペルのオメガ・ワゴンを買いました」
クリ:「それはだいぶ違いますね。まあまあ大きいですよね」
トモ:「車幅に慣れるのもいいかな、練習と思って」
クリ:「さすが、前のめりですね〜。普通は最初は小さいので、という人が多いですよね」
トモ:「そう言えばそうですね(笑)」
クリ:「でもFDは諦めずに?」
トモ:「それから半年、頭金を110万円貯めてディーラーに行きました。けど、当時試乗車とかなくて、乗れるかどうかわからないけど買っちゃったんですよ、新車で」
クリ:「えー、いきなり新車ですか! じゃ、思い入れもあってだいぶ長く乗ったんでしょう?」
トモ:「そうですね。デザインもレイアウトもとても気に入ってたし、最後のロータリーターボだと言われてたので、9万5000km乗りましたね」
クリ:「そこから新たな展開が?」
トモ:「FDに乗ってたらレース関係の方と知り合いになって、当時、キャンギャルのお仕事をやらせていただいたんですけど、そのチームのスポンサーが降りてしまうというので、翌年の仕事がなくなってプー太郎になってしまったんですよ。で、初心者向けだからレースにに出てみる?って言われて、なんだかわからないけどやるって言っちゃったんです、ヒール&トゥもできないのに」
クリ:「ほほぅ」
トモ:「それで某峠でヒール&トゥの練習をしてました。一晩で2回満タンにすることもありましたね」
クリ:「それはロータリーがあまり燃費良くないとは言え、すごい練習量ですな」
トモ:「それでいきなりスズキのKスポーツのワンメークレース、JAF戦のレースに出てスピンしたんですけど(笑)、そういった体験記を雑誌に書くっていうのが今のお仕事に繋がる最初のライターのお仕事でした。それ以来、雑誌に書けばレースができるってことを覚えちゃって、レースを続けることになったんです」
クリ:「その間もFDラブで乗ってたんですね」
トモ:「はい、だけど、フォーミュラ隼(フォーミュラ・スズキ隼:スーパーバイク「スズキGSX1300R隼」のエンジンを載せたフォーミュラーレースマシン。筑波を55秒くらいで走る)のレースをやってるとき、エンジンが壊れてしまってどうしよう…ってときに、FDを売って隼のエンジンを買ったんです」
クリ:「あー、それは大変な思いでしたね」
●一目惚れでフィアット500へ
クリ:「その後の愛車は?」
トモ:「それからしばらくは自分のクルマというのはなくて、現在のチンクエチェント(フィアット500)が出た時にこれは、と思って買いました」
クリ:「じゃ、ひと目惚れとか?」
トモ:「日本に正式導入される前にカーグラフィック(CG誌)で、中華街で撮影したカット(写真)を見たんですよ。それを見てこれ買おうって」
クリ:「やっぱりスタイルから入るほうですか?」
トモ:「デザインはぜったい外せません!」
クリ:「チンクにはどれくらい乗ったんですか?」
トモ:「日常の足として7万kmくらい乗りましたかね」
クリ:「結構走ったんですね」
トモ:「その後は、ロードスターのNR-Aを買って、レースにも日常の足にも使って、チンクはDS3に換えました」
クリ:「イタリアからフランスへ」
トモ:「それから取材でアウディのS1に筑波コース2000で乗ったんですが、降りてきた瞬間、あ、これ買おうって」
クリ:「今度はドイツへ。S1はデザインからのひと目惚れではなかったんですね」
トモ:「乗る前はそうでもなかったんですけど、乗ると私の意志を汲み取って走ってくれているような感じで鳥肌立っちゃって、これは絶対買おうって思って今も乗ってます」
クリ:「だけどその他にアストン・マーティンを持っている、と」
トモ:「知人が中古で譲ってくれたアストン・マーティンDB9です。これもデザインの美しさに惚れ込んで、憧れのボンドカーってことで…」
クリ:「いやー、DB9をちゃんと運転できて似合う女性って日本に何人もいるはずないですよ〜。お聞きしたらホントに好きになったクルマを乗ってきたんですね。羨ましいし、見習わなきゃ、ですね〜」
【藤島知子さんのこれまでの愛車遍歴】
・オペル・オメガワゴン
・マツダRX-7(FD3S 6型)
・FIAT500
・マツダ・ロードスター(NC)NR-A
・DS3
・アウディS1
・マツダ・ロードスター(ND)NR-A
・アストン・マーティンDB9
【Profile】
藤島知子(ふじしまともこ):スーパー耐久のレースクイーンを経験し、2002年からレースデビューと執筆活動を同時スタート。レース経験もある走り好きとしての目線と、女性ならではの細やかな目線の両方からのレポートが好評を博している。自動車ジャーナリスト岡崎五朗氏と共演する、テレビ神奈川の新車情報番組『クルマでいこう!』には2021年で出演14年目となる。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。8月26日生まれのおとめ座で、血液型はB型。愛称は「藤トモ:」。
(写真:井上 誠/聞き手:小林和久)