道路交通法とは?人と乗り物が安全かつ円滑に走行、歩行するための法律【バイク用語辞典:交通ルール編】

■守るべき交通ルールと禁止行為を定めて、事故やトラブルを防止

●さまざまな交通ルールを規定し、違反すれば違反点数と違反金

道路交通法は、クルマやバイク、自転車に乗る人も歩行者も道路を安全かつ円滑に走行、歩行できるようにする法律です。バイクの排気量区分による運転資格や車両登録の方法なども規定しています。

バイクを運転する際にもっとも身近な法律である「道路交通法」について、解説していきます。

●道路交通法で規定されている内容例

自動車に関する法律
自動車に関する法律

道路交通法の第1条には、「道路における危険を防止し、そのほか交通の安全と円滑を図り、および道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする」と記されています。すなわち、クルマやバイク、自転車で道路を走行する、歩行する際には、道路交通法のさまざまな規則を守らなければいけません。

道路交通法には、多くの具体的な規則が規定されています。その一例を以下に紹介します。

・歩行者の通行方法
歩道と車道の区別のある道路では基本的には歩道を使う、横断歩道がある場所では横断歩道を使う、斜め横断しないなど

・車両および路面電車の交通方法
指定速度を守る、一旦停止するなど一般的な交通ルールと状況に応じた細かな規則

・運転者および雇用者などの義務
運転者だけでなく、運転者を雇っている人に対しても厳しい規則が定められています。例えば、雇用された運転者の過労運転や飲酒運転では、運転者だけでなく雇用者に対する処罰内容

・自動車および原動機付自転車の運転免許
運転免許の種類や運転免許試験など

・反則金制度
違反に対する罰金制度

●道路交通法による区分

バイクの車両区分は、「道路交通法」による区分と「道路運送車両法」による区分があります。

道路交通法では、排気量ベースで区分され、登録方法や免許の種類が規定されています。

排気量による車両区分
排気量による車両区分

・車両区分
排気量50cc以下は「原動機付自転車(原付)」、50cc超~400ccが「普通自動二輪車(普通二輪)」、400cc超が「大型自動二輪車(大型二輪)」

・免許の区分
排気量50cc以下は「原動機付自動車免許(原付免許)、50cc超~125ccが「普通自動二輪免許(小型限定)」、125cc超~250ccが「普通自動二輪免許(普通二輪免許)」、250cc超が「大型自動二輪免許(大型二輪免許)」と区分されます。

●道路運送車両法による区分

一方、道路運送車両法の車両区分は異なります。二輪車のうち排気量125cc以下を原付と定め、このうち排気量50cc以下を「第一種原動機付自転車」、50cc超から125cc以下の二輪車を「第二種原動機付自転車」と規定。また、125ccを超え250cc以下の二輪車は「二輪の軽自動車(軽二輪)」、250ccを超えるものは「二輪の小型自動車(小型二輪)」として自動車に含まれます。

また、道路運送車両法による区分によって登録の仕方が異なります。

・排気量125cc以下の原付バイク
自治体へ地方税の納付申告を行い、ナンバーの交付を受けます。

・排気量125cc超~250cc以下の軽二輪
運輸局への届け出を行い車両番号を受けます。

・排気量250cc超の小型二輪車
運輸局での新規検査後に車両番号の指定を受けます。また、保安基準によって車検を受けることが義務付けられています。


道路交通法は、自動車やバイクだけでなく歩行者を含めたすべての人が守るべき交通ルールを規定しています。最近、社会問題となっている「高齢者事故」や「あおり運転」などの多発を受け、高齢者の認知機能検査や高齢者講習の義務化、あおり運転の「妨害運転罪」による処罰など道路交通法の改正が進められています。

Mr.ソラン

この記事の著者

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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