ガルフ・オイルとのパートナーシップで生まれたマクラーレン720Sのビスポークを披露

■職人により20日かけてペイントされた完璧な仕上がり

720psを誇るMcLaren(マクラーレン)の主力モデルである720S。このほど、新たなビスポークモデル(オーダーメイド)が披露されました。

720SはツインターボのマクラーレンV8エンジンを搭載し、車名のとおり最高出力720PSを誇り、最大トルク770Nmを発揮します。0-100km/h (62mph)加速はわずか2.9秒で、最高速度は341km/h(212mph)に達します。

マクラーレン720S
ガルフ・マクラーレンカラーの720S(ビスポークモデル)

圧倒的な速さを実現しているのは軽量化で、カーボンファイバー製「モノケージII」により、乾燥重量1,283kg という軽さを誇ります。また、「プロアクティブ・シャシー・コントロールIIサスペンション」と「アクティブ・エアロダイナミクス」により、公道とサーキットのいずれでもハイパフォーマンスを発揮するそうです。

720Sのビスポークを手がけたのは、社内パーソナライゼーション部門である「MSO」で、ガルフ・オイル・インターナショナルのレーシングカラーでビスポーク720Sが製作されたもの。

マクラーレンは、2021年のF1モナコGPでガルフカラーで走らせるとすでにアナウンス済みで、マクラーレンとガルフは、オフィシャル戦略的パートナーシップの再開を2020年夏に発表しています。このプロジェクトは同パートナーシップの一環で、マクラーレン・スーパーカーのパーソナライゼーションの可能性を示すビスポークになります。

マクラーレン720S
ブレーキ・キャリパーもガルフのソリッド・オレンジに塗装されている

なお、両社が最初にパートナーになったのは、1968〜1973年のF1と「Can-Am(カナディアン-アメリカン チャレンジシップ)」シリーズでした。

両社の関係は、1990年代に復活し、「GTC コンペティション・チーム」の「McLaren F1 GTR 」は、1996年の「BPR グローバル耐久選手権(グランツーリスモベースのレース)」を制したほか、1997年のル・マン 24時間レースでGT1クラス優勝を果たすなど、レースではよく知られたパートナーシップです。

2020年のパートナーシップ復活を受けて、今年からガルフがマクラーレン・オートモーティブの推奨潤滑油サプライヤーになり、高性能エンジンに最適化したガルフのオイルと燃料が全車両に搭載されます。

さて、今回アナウンスされたビスポークは、MSOによるハンドペイントで、限られた数の顧客にだけ提供されるそう。公開された720Sは、MSOとガルフによる共同プロジェクトの集大成と位置づけています。

完璧な色に配合されたペイントをメタリック塗装とソリッド塗装で施され、両ブランドのアイデンティティが表現されています。

マクラーレン720S
ガルフオイル・カラーでペイントされたインテリア

このビスポークは、マクラーレン・オートモーティブの塗装テクノロジー・パートナーであるアクゾノーベルの協力によりペイントされています。高品質で多彩な塗料の中から完璧な仕上がりを生み出すため、複数のバージョンを試作。最終バージョンだけでも、完成までには「MSO」の職人たちにより20日を要したとしています。

そのエクステリアは、アイコニックなブルーとオレンジのレーシングカラーをはじめ、ブレーキ・キャリパーもガルフのソリッド・オレンジにペイントされています。

さらにインテリアにも、同色のブルーとオレンジのステッチが施され、ヘッドレストには刺繍で、ドアシルにはペイントにより、ガルフのロゴが配置されています。

なお、マクラーレン・オートモーティブのマイク・フルーウィットCEO は、「今回のビスポークは、既存オーナーのカスタマイズの可能性を示す」と表明しています。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる