■「空飛ぶじゅうたん」で疲れないよね
「疲れないよね、今日のクルマ」
都内で合流し、東北道を北上するレクサスLS。その車内で、彼女は素直な感想をささやいた。
彼女は言わなかったけれど、続けて彼女が言いたかったことは分かっている。「あなたのクルマは乗り心地が悪いから……」に違いない。
ボクはスポーツカーが好きで、自分のクルマはもちろんスポーツカーだ。だけど、いまは故障して修理中。
だから今日は親父のLSを借りてきたんだけど、乗り心地は、路面の段差を隠そうとしないボクのクルマとはぜんぜん違う。LSはまるで空飛ぶじゅうたんのような快適な快適さだ。
自動車雑誌の記事によると「現行型LSは走りをスポーティに振ったため、『乗り心地の悪さ』を指摘する声が少なくなかった」のだとか。だけど、本当なの?というのが正直な気持ち。
確かに、2020年の改良でサスペンションの味付けは全面的に変更され、乗り心地は向上したのだという。このLSはその改良後だから乗り心地が改善されているのだが、改良前にそんなに荒い乗り味だったのかと不思議に思えるほど滑らかだ。
●骨の髄までVIP気分
「見てよ、マッサージが付いているよ。凄い」とレクサスのハイエンドセダンを楽しむ彼女。
「リヤシートはもっと凄い。足を伸ばしてくつろげるし、マッサージは信じられないくらい本格的で気持ちいいよ。私、今日は帰るまでここに座っていいかな?」
せっかくのLSだから、今日は骨の髄までVIP気分を楽しむがいいだろう。ちなみに本格指圧が自慢のそのマッサージ機能はデンソー製だ。知っている必要はまったくないけど。(つづく)