今日は旅の日。自動車史に残る伝説のGT「トヨタ2000GT」デビュー!【今日は何の日?5月16日】

■田部井淳子さんが女性初のエベレスト登頂に成功

奥の細道(日本三景松島・雄島 )
奥の細道(日本三景松島・雄島 )

1689(元禄2)年5月16日に松尾芭蕉が「奥の細道」への旅に出発したことにちなんで「旅の日」が制定されました。奥の細道は、江戸川を出発してみちのく(奥州、北陸)を回って大垣(岐阜県)に至る2,400km(150日間)の俳句を詠んだ旅をまとめた、俳諧紀行です。ちなみに、誰もが知っている「古池や 蛙飛び込む 水の音」は、奥の細道で詠んだ句ではないそうです。

エベレスト
エベレスト

また、1975(昭和50)5月16日、田部井淳子さんらの日本女子登山隊が女性として初のエベレスト登頂に成功しました。田部井さんは女性初の六大陸最高峰登頂、七大陸最高峰制覇など、数々の偉業を成し遂げた女性登山家の草分けでした。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

1967年(昭和42)年5月16日、トヨタから最新技術の粋を結集した伝説のスポーツカー「トヨタ2000GT」が発売されました。トヨタ2000GTにかけるトヨタの想いは熱く、発売前にプロトモデルで鈴鹿1,000kmレースに優勝、矢田部高速試験場で高速耐久トライアルに挑み世界記録を樹立するなど、その実力をアピールしました。また、ヤマハとの共同開発で随所にヤマハの技術が盛り込まれていることでも有名です。

1967年発売のトヨタ2000GT
1967年発売のトヨタ2000GT
1967年発売のトヨタ2000GT(サイド)
1967年発売のトヨタ2000GT(サイド)

トヨタ2000GTは、X型バックボーンフレームと前後ダブルウィッシュボーンサスペンションで構成されたシャシー、ロングノーズにリトラクタブルライトを装備した流線型ボディを採用。インテリアも、ローズウッド材のインパネやレザーのバケットシートなど高級感を演出しました。そして、エンジンは2.0L 直6DOHCにソレックス・キャブレター3連装の組み合わせによって最高出力150PSを発揮。最高速度220km/h、0→400mは5.9秒、0→100km/hは8.6秒とずば抜けた加速力を誇りました。車両価格も破格で当時のクラウンの約2倍の238万円、大卒初任給が2万5000円の時代だったので今なら2000万円程度でしょうか、まさしく庶民には手の届かないスーパーカーでした。

1967年発売のトヨタ2000GT(リア)
1967年発売のトヨタ2000GT(リア)

日本を代表する高性能スポーツカーとして誰もが認めたトヨタ2000GTですが、1970年の販売終了までの総販売台数はわずか337台でした。価格設定が高すぎたためでしょうが、それでも生産に手間がかかり、赤字販売だったと言われています。

ボンドカー
「007は二度死ぬ」で使用されたトヨタ2000GT。
ボンドカー
グローブボックスに据えられた秘密兵器手を添える、映画出演者のひとり、若林映子(わかばやしあきこ)。フロントピラーの形状から、手づくりのクルマであることを証明している。
ボンドカー
ボンドカーの運転席、別アングルより。

人気映画「007は二度死ぬ」でボンドカーとして採用されるなどトヨタの技術力を国内外にアピールした広告費と考えれば、役割は十分果たしたのかもしれませんね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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