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■ハンドル交換時には、登録時の全幅と全高に対して規定内に収まらなければいけない
●保安基準に適合しないハンドルは、構造変更の申請で対応可能
ハンドルの長さや傾きなどを変更すると、バイクの外観イメージは大きく変わります。またライダーの体型や好みに合わせれば、走行時の姿勢が変わるので乗り心地や安全性の向上にもつながります。一方、不適切なハンドルに交換すると事故を起こすリスクが高まります。
バイクのイメージを大きく変えるハンドルのカスタム化に関わる基本的な保安基準について、解説していきます。
●代表的なハンドルのスタイル
ハンドルには、いろいろなタイプがありますが、大別すると一般的なバーハンドル(バーハン)とセパレートハンドル(セパハン)があります。
・バーハンドル
純正ハンドルとして採用されることが多いバーハンドルは、一本のパイプを曲げて成形するシンプルな構造です。基本的には、ハンドル位置が高くなりライダーの姿勢が立ち気味になるので、コーナーを競うような走りには向いていません。バーハンドルには数多くの種類があり、ネイキッドのオーソドックスなコンチネンタルハンドル、アメリカンなどで採用されるアップハンドル、カフェレーサーで使われるスワローハンドル、またスクーターなどのハンドルもバーハンドルです。
・セパレートハンドル
セパレートハンドルは、左右が独立して分かれているタイプです。前傾姿勢になるため長時間の走行には向かず、快適さよりスポーティさに向いているハンドルです。ただし、ハンドルがタンクに接触しないようにストッパーを噛ませる必要があり、最大舵角が制限される場合があります。
●ハンドルに関する保安基準
メーカーが採用する純正ハンドルは、標準的な体型のライダーが乗ることを想定してそのモデルに合った長さや高さ、角度などを決めています。自分の体型や好みに合ったハンドルに交換することは、デザイン性や安全性の向上につながりますが、一方で不適切なハンドルに交換すると事故を起こすリスクが高まります。
したがって、自由勝手に変更して良いわけでなく保安基準で規定されています。ハンドル交換の結果、車検登録時の寸法(全長、全幅、全高)に対して、大きく外れるものは保安基準不適合になります。以下の規定内に収まらなければいけません。
・車幅:±2cm以内(クラッチレバーの先端からブレーキレバーの先端までの長さ)
・車高:±4cm以内(地面からメーター上部までの長さ)
全長も±3cm以内という規定がありますが、ハンドル交換時には長さは変わらないので対象外です。
●適合しない場合は構造変更の申請で対応
上記の保安基準に適合しないハンドルにどうしても交換したい場合は、構造変更を申請するという方法があります。
構造変更とは、車検登録時の内容に変更があった場合に、陸運局に変更内容を申請して承認を受ける手続きです。必要書類とバイクを陸運支局に持ち込み、車検と同じような検査を受けて認可してもらいます。変更内容を説明する書類など多くの準備が必要なので、自信がないユーザーは専門業者に依頼するのが安心です。
なお、構造変更については別頁で詳細に解説します。
ハンドルの高さを変えるだけで、バイクの印象は大きく変わり、走行時の姿勢が変わることで乗り心地や安全性の向上にもつながります。一方、ハンドルは最重要保安部品に指定されており、不適切なハンドルに交換すると事故を起こすリスクが高まるので注意が必要です。
(Mr.ソラン)